ピー・シー・エー(PCA、水谷学社長)は、非営利法人向けの消費税計算・申告書作成ソフト「PCA消費税」を発売した。当面はオンプレミス版の提供のみだが、今秋には基幹業務クラウドサービス「PCAクラウド」での提供も始める予定。これにより、「PCAクラウド」のラインアップが完成することになる。消費税特需後の業務ソフト需要を支える重点分野として、拡販に力を注ぐ。

折登泰樹
専務取締役
 「PCA消費税」のコンセプトについて、折登泰樹・専務取締役は「複雑な非営利法人向けの消費税の処理をわかりやすくした製品」と説明する。社会福祉法人や公益法人などの非営利法人の消費税計算は、営利企業とは異なり、補助金収入や寄付金収入など、対価性のない「特定収入」の扱いがわかりにくく、会計処理が難しいという課題があった。さらに、今年4月の消費税改正によって、消費税の扱いは従来以上に煩雑さを増しているという。

 同社の従来の非営利法人向け財務会計ソフトのユーザーからは、消費税計算や申告書作成を効率化する機能の実装を求める声が高まっていた。「PCA消費税」は、そうしたニーズに応えた製品だ。

 最大の特徴は、公認会計士で公益法人協会の監事を務める中田ちず子氏の監修の下、同氏が独自に考案したワークシート方式の特定収入の処理プロセスをシステムに組み込んだことだ。折登専務はこの協業について、「中田先生は非営利法人会計分野の第一人者で、特定収入の集計を消費税申告書作成時に関連づけるワークシート方式は、実務の現場でも高く評価されている」と話す。また、製品企画を担当した営業本部戦略企画部プロダクト企画グループの田邨公伸係長は、「ユーザーは、数字だけ入力し、出てくるメニューに沿って処理すれば、簡単に申告書を作成することができる」と、メリットを強調する。

田邨公伸
係長
 今後は、中田氏を講師とする非営利法人向け消費税セミナーを開催するなどして、1年間で1000システムの販売を目指す。まずは、セミナーについては税理士や公認会計士をターゲットにする予定だ。折登専務は、「わかりやすい機能をソフトに実装したといっても、ユーザーには税理士や公認会計士の支援が欠かせない。まずは先生方に機能を知ってもらう。税理士や公認会計士にとっても、顧問先の対象が広がるので、当社からのアプローチに対する反応はいい」と、意図を説明する。

 また、今秋にはクラウド版をリリースするが、「もともと当社の公益法人ユーザーはクラウド版を利用する比率が高く、他社製品との大きな差異化ポイントになる」(田邨係長)と、ユーザー拡大の起爆剤としての役割を見込んでいる。複数の拠点をもつ大規模な非営利法人でも、各拠点ごとにサーバーメンテナンスなどを担当する専任の人員を確保するのは難しいため、大口ユーザーの獲得も狙う。(本多和幸)