米ヒューレット・パッカード(HP)は、サーバー戦略の柱の一つである「Project Moonshot」で、従来のサーバーの考え方とは一線を画すコンセプトを打ち出している。特定の用途・アプリケーション向けに最適化したサーバー(ソフトウェア定義型サーバー)で、4.3Uサイズのシャーシに45個のサーバーカートリッジを搭載できる超高密度型の「Moonshot System」によって、圧倒的な省電力・省スペース・省コストを実現しようとしているのだ。これによって、負荷がなく、効率よく運用できる大規模なスケールアウトシステムを提供する。

 日本HPも、今年になって、リモートデスクトップやウェブ/データ分析向けのカートリッジを発売するなど、国内でも「Moonshot」は浸透しはじめている。

 米HPのポール・サンテラー・Moonshotビジネス部門バイスプレジデント兼総責任者に、製品の強みや拡販戦略を聞いた。

──日本でも、年明けに「Moonshot System」の本格展開が始まりました。ほぼ時を同じくして、米HPのMoonshotビジネス部門が独立した部署になりましたね。ここに力の入れ具合が現れているということでしょうか。

サンテラー そうですね。私たちは、基本的に「Moonshot」を今後のIT全体に多大な影響を与える革新的なテクノロジーだと考えています。これまではハイパースケールビジネスユニットの一部門が担当していたのですが、市場のマスを取るためには早期決戦が決め手になりますので、ハイパースケール事業から切り離して別事業部にして、専用のリソースを確保しました。「Moonshot」のビジネスは、これをきっかけに大きく加速しています。

──「Moonshot」の市場として、日本にはどのような可能性を感じていますか。

サンテラー 日本のお客様は、データセンター(DC)の電力削減や運用の効率化を強く意識されているので、「Moonshot」のニーズは非常に大きいと考えています。事実、大口顧客で採用が進んでいます。「Moonshot」採用の先がけである日本の市場の動きは、将来の製品戦略にも大きな影響を及ぼすでしょう。例えば、日本のDCは直流給電の先進市場です。「Moonshot」も、日本市場向けに直流電源に対応するよう開発を進めています。

──日本市場で拡販するためのパートナー施策について教えてください。

サンテラー チャネルの改善には、非常に大きなモチベーションをもって取り組んでいます。チャネルパートナーにしっかり投資しない限り、「Moonshot」の成功はありません。トレーニングや合同のプロモーション活動などを積極的に展開します。

 当面の戦略としては、当社がフォーカスしているアプリケーション分野に強みをもつパートナーをキーパートナーにして、連携を深めていくつもりです。サーバーカートリッジをラインアップしているリモートデスクトップや、ウェブ/データ分析などの分野ですね。

 今後、カートリッジの種類はどんどん増やしていきますので、そのつど新たなパートナーを開拓することになるでしょう。(本多和幸)

「Moonshot」のサーバーカートリッジを手にするサンテラー・バイスプレジデント兼総責任者