KDDI(田中孝司社長)が、クラウド事業の拡大に取り組む。クラウドにモバイル端末と回線を組み合わせ、通信キャリアとしての強みを前面に打ち出すことによって、クラウド専門のベンダーとの差異を明確にし、提案活動に注力していく。

藤井彰人
部長
 KDDIは、企業向けイントラネット事業などで巨大な顧客ベースを築いてきている。これを生かして「働き方の改革」を切り口にクラウドを提案する。「回線を運用する通信キャリアとして品質に対するこだわりが強い。万が一、クラウドシステムが停止したとしても、2時間以内に復旧できるよう、技術者の訓練を徹底している」(サービス企画本部クラウドサービス企画開発部長の藤井彰人氏)という。

 同社は、主力の通信サービスに加えて企業に仮想サーバーなどのインフラをサービスとして提供するクラウド事業を展開している。データセンター(DC)を設けるなどの先行投資を行い、長い期間で回収を目指すというクラウドの事業モデルは、モバイル通信ビジネスに似ている。「キャリアと相性がいい」(藤井部長)と判断し、クラウドの需要が旺盛なことを追い風にして、クラウド事業の本格化に乗り出している。

 KDDIは、自社で用意したクラウド基盤の提供のほかに、グーグルをはじめ、他ベンダーのクラウドサービスの販売も手がける。藤井部長は、「国内クラウド市場は年30%の伸びをみせている。アプリケーション開発パートナーと組み、当社も少なくとも30%、できればそれ以上の勢いでクラウド事業を伸ばしたい」と意欲を示す。(ゼンフ ミシャ)