日本マイクロソフト(樋口泰行社長)は、クラウドサービスの事業基盤を強化する。東日本と西日本にそれぞれ開設した2か所のデータセンター(DC)で稼働するクラウドの種類を拡充。これまで2か所のDCで稼働・サービス提供を行うクラウドは、「Microsoft Azure」だけだったが、年内には「Office 365」、2015年3月末までには「Microsoft Dynamics CRM Online」の提供を開始する。実現すれば、日本マイクロソフトが拡販に力を入れる「三大クラウド」が、すべて国内のDCから提供されることになる。

樋口泰行
社長
 日本マイクロソフトは、今年2月に日本で初めてクラウドDCを開設し、このDCからAzureの提供を開始した。国内に配置したことで安全性と信頼性をアピールでき、レイテンシの解消(操作速度の向上)にもつながったことで「販売に大きく弾みがついた」(樋口社長)という。この効果を受けて、香港およびシンガポールのDCからネットワークを通じて日本のユーザーに提供しているOffice 365とDynamics CRM Onlineを、日本のDCから提供することにした。

 マイクロソフトは、全世界で「Cloud First」「Mobile First」を掲げてクラウドビジネスを強化している。とくに、Azure、Office 365、Dynamics CRM Onlineは、日本マイクロソフトでは三大クラウドと位置づけており、マイクロソフトが手がける複数のクラウドのなかでも重要なサービス。この3種類については、他のサービスよりも高い販売目標が定められている。

 樋口社長は「昨年度(2014年6月期)は、三つのクラウドすべてがかなり伸びて、前年度と比べれば3倍の実績。他の先進国と遜色ない成長ぶりをみせた。ただ、それだけでは物足りない。今年は最低でもそれと同等のレベルで成長したい」と強気な姿勢をみせている。また、「今後必要になってくるのは、AzureやOffice 365、Dynamics CRM Onlineを提案するためのソリューションシナリオ。ユーザーはクラウドを前提にIT投資を検討しており、単純にクラウドのメリットを訴えるだけではお客様を説得することはできない。今後は、各サービスがもつテクノロジーや技術によって、どのようにお客様に貢献するかをわかりやすく提案できるかどうか」と樋口社長は述べ、提案内容の品質向上をテーマに掲げている。(木村剛士)