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内田洋行 ワークスタイル変革の見本市 ITとファシリティを融合

2014/12/25 18:54

週刊BCN 2014年12月22日vol.1560掲載

 内田洋行(大久保昇社長)は、ワークスタイル変革を提案する総合ソリューションを強化している。今年夏には、2012年から自社で実践してきたワークスタイル変革プロジェクト「Change Working」の成果をもとに、モデルオフィスを兼ねる新川第2オフィスをリニューアルした。ユーザーや販売パートナーの反応も上々で、今年7月に就任した大久保昇社長も、「多くの来場者に、内田洋行はこんなこともできるのかと驚かれる」と話す。少子高齢化が本格化し、労働人口が減少することを考慮すれば、オフィス内の生産性向上は社会的な課題といえる。内田洋行は、ITとオフィス家具事業のノウハウを融合して、こうしたニーズに応える。

矢野直哉
部長
 新川第2オフィスは、2012年に営業部隊の拠点を集約したもの。以来、各社員のさまざまな行動データを取って、ワークスタイルの変革に役立ててきた。オフィス事業本部の矢野直哉・企画部部長は、「マイクロソフトの『Office 365』をグループウェアとして導入しているが、スケジュール登録の際は、独自に設定した11分類の業務に分けて登録してもらい、このデータを集計して、当社が開発した工数分析ツールで処理した」と説明する。

 こうして、どのようなオフィスのレイアウトで、どんな設備をどのように配置し、どの業務にどれくらいの時間をかければ業務の生産性が向上するのかを検証してきた。その結果を受けて、リニューアル時には、新川第2オフィスへの移転直後と比較して、コラボレーションエリアの面積を38%拡大した。

 また、「業務の特性ごとに最適な環境を柔軟に選択するためには、紙の資料のストック量を極力減らすことも重要なポイント」(矢野部長)になる。そこで同社は、社員ごとに割り当てられたロッカーに収納できる量しか紙資料のストックを認めないことにして、提案書などはドキュメント管理ツール「Alfresco」に保存のうえ、社員間で共有できるようにした。Alfrescoへの提案書登録件数は、今年6月時点で約1万件に達した。また、提案書を社員同士が評価し合う仕組みもつくり、オフィス内のデジタルサイネージには、評価が高い上位20位までの提案書が随時掲載されるようになっている。

この個人ロッカーに入る量しか紙の資料のストックは認められない。ロッカーは、スマートデバイスの充電機能も備える

 こうした移転後のオフィス改革、業務改革が功を奏し、営業部隊の顧客対面時間が倍増し、全勤務時間の50%を占めるまでになったという。矢野部長は、「こうした成果を積極的にアピールして、お客様の業務改革に貢献できるソリューションを提案していきたい」と意気込んでいる。(本多和幸)

オフィス内のデジタルサイネージには人気上位20位までの提案書が自動的にアップされる
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外部リンク

内田洋行=http://www.uchida.co.jp/