日立製作所(東原敏昭社長)は、統合システム運用管理ツール「JP1」のメジャーバージョンアップ版を2015年に発売する。メジャーバージョンアップは、2012年に発売した「バージョン10」から3年ぶり。新版では、管理者の運用管理負担を軽くするための「自動化」機能を強化するという。

加藤恵理主任技師。「JP1」のエバンジェリストも兼務する
 JP1は、システムを安定運用するために、稼働状況を監視したりトラブルが起きそうなシステムを事前検知して予防、情報システム管理者に知らせたりする機能などを備えるツール。1994年に発売し今年で20周年を迎えた。日本だけでなく海外でも実績が多く、アジアではとくに中国やタイで売れている。

 現在の最新バージョンである10.5では、オープンソースソフト(OSS)の「OpenStack」で構築・管理されているプライベートクラウドや、「Microsoft Azure」および「Amazon Web Services(AWS)」など複数のパブリッククラウドを一元管理する機能、システム管理者が稼働状況などを確認しやすくしたポータルツール、稼働状況監視やトラブル対応などの運用業務を軽減する自動化ツールを新たに加えていた。「やさしい運用管理がバージョン10のテーマで、10.5はその集大成の位置づけ」(加藤恵理・情報・通信システム社ITプラットフォーム事業本部統合PF開発本部ITマネジメントソリューション開発部主任技師)という。

 JP1は、メジャーバージョンアップ版を3年サイクルでリリースする計画を以前から進めており、このスケジュールに沿ってバージョン11(仮)を2015年に発売する。「次期バージョンでもポイントの一つになるのが、自動化。システムの運用を完全自動化することがいいとは思っていない。人の業務とシステムによる自動化の役割分担が大切で、互いのメリットを生かしたJP1なりの運用自動化を提案できるようにしたい」と加藤主任技師は語る。(木村剛士)