世界DC市場の第2位の座はアジアに

 2017年には、グローバルのデータセンター(DC)市場で、ASEAN諸国を中心とするアジア・太平洋地域(日本を除く)が、売上規模の面で北米に次いで第2位にランクインする。調査会社ガートナーの予測を踏まえて、総務省がまとめている。現在、第2位を占めている西欧のDC市場は成長が鈍く、17年には第3位にランクダウンする見込みだ。

 総務省によると、12年の世界DC市場では、北米が56億米ドルで首位に立っている。西欧が33億米ドルで第2位、アジア・太平洋が25億米ドルで第3位、日本が11億米ドルで第4位、南米が7.1億米ドルで第5位、東欧・中欧が5.8億米ドルで第6位、中東・アフリカが5.3億米ドルで第7位となっている。12~17年のDC市場の年平均成長率をみると、アジア・太平洋が7.9%と最も高く、微増である西欧の0.8%を大きく上回る。アジア・太平洋には、もちろん中国やインド、豪州なども入るが、DC市場の成長を支えるのは、好景気に沸くASEAN諸国であることは間違いないだろう。

 実は、今年12月に発足する予定の「ASEAN経済共同体(AEC)」が、DC市場の成長に追い風になりそうだ。AECが立ち上がり、域内貿易の自由化が進めば、欧州連合(EU)でそうであったように、国境を越えたM&A(企業の合併と買収)や拠点の統合が活発になって、システム基盤として、DCに対する需要が旺盛になるというメカニズムだ。ASEANでは今、空路など交通については、シンガポールがハブになっている。今後は、シンガポールをIT基盤の統合拠点とする動きが加速し、「人」と「情報」の両方のトラフィックに関して、同国がハブとして重要になる可能性が高いと考えられる。

 日本のクラウドベンダーやシステムインテグレータ(SIer)がASEANでのDC事業に取り組んでおり、商機をつかもうとしている。今後、導入実績をつくるうえで重要になるのは、現地のニーズへの対応だ。大手SIerのTISが独自クラウドサービス「T.E.O.S.」を中国では「飛翔雲」、インドネシアでは「Cloud Berkembang」と国ごとに異なる名称で展開するように、マーケティングを含めた現地対応が欠かせない。(ゼンフ ミシャ)