ネットワークに強い付加価値ディストリビュータのネットワンパートナーズ(川口貴久社長)は、情報サービス業界の類似業種、隣接業界への進出に力を入れている。コンピュータやネットワーク機器を使いながらも、業務アプリケーション比率が高い情報サービス業界とは方向性が異なる製造や設備関連の領域への進出を加速。これによって同社の扱う商材の卸先を広げてビジネスを伸ばすのが狙いだ。

 こうした動きのきっかけになったのが、さまざまな業種で活用が進んでいるIoT(モノのインターネット)である。製造や設備といった業種でもIoT活用の動きは活発化しており、「IoTである以上、必然的にインターネット技術をベースとしたオープンなアーキテクチャが基本となる」(ネットワンパートナーズの金井朗子・マーケティング&ビジネス開発部部長)ことから、シスコシステムズをはじめとするIT商材を展開しやすい環境が整ったとみている。

 例えば製造業における生産システム構築アプローチのコンセプト「FOA(Flow Oriented Approach)」を普及させるコンソーシアム「FIMコンソーシアム(奥雅春理事長=smart-FOA社長)」に、ネットワンパートナーズが自ら加盟し、「FOAつながりで接点を持ったFA(工場自動化)系のインテグレータとの関係強化」(澁谷英之・マーケティング&ビジネス開発部第2チームリーダー)などを意欲的に進めている。製造現場で培ったFOAのコンセプトは、IoTを活用した社会インフラの構築や、業務システム分野の改革といった分野にも応用が可能という。

 設備関連では、例えばスタジアムのような設備で「高密度Wi-Fi」を活用したコンテンツ配信などをイメージしている。国内であまり高く評価されてない傾向があるWi-Fiだが、米国を中心に電波が干渉しにくく、狭い空間にたくさんのWi-Fi接続アンテナを設置できる高速・高密度なWi-Fiの技術開発が進んでいる。これを活用すれば、野球やサッカーの観戦中、「手持ちのスマートフォンで、その瞬間瞬間のプレー映像を繰り返して好きなだけ見ることができる」(同)といった付加価値サービスの展開も容易になる。

 ディストリビュータであるネットワンパートナーズでは、IoTを切り口として、これまで接点が少なかった製造や設備などの類似業種、隣接業界におけるビジネスパートナーの開拓を加速させる。この4月からはIoTの専任組織も一段と拡充しており、IoT関連メーカーとさまざまな業種・業態の販売パートナーとを結びつけることで、ビジネスを伸ばしていく方針だ。(安藤章司)