【上海発】NTTドコモの中国法人である都客夢(上海)通信技術(ドコモチャイナ、本間雅之総経理)は、日系企業向けビジネスモデルの転換を図る。Wi・Fiルータのレンタルなどの薄利多売のビジネスを縮小し、今後は案件単価の大きいM2M関連ビジネスを集中的に拡大させる。(真鍋武)

本間雅之
総経理
 ドコモチャイナでは、これまで中国の日系企業向けに、Wi・FiレンタルやSFA(営業支援システム)、コンテンツ管理ツール、リモートデスクトップサービスなど、主にモバイルソリューションを販売してきた。しかし、薄利多売のビジネスモデルなうえに、現地の日系IT企業の競合が増えたことで、価格競争に陥るケースが出てきた。そこで今後は、案件単価が大きいM2M関連ビジネスに舵を切る。Wi・Fiのレンタルなど、一部の製品・サービスの新規営業は停止した。

 今後の主力商材は、ネットワーク周りを中心に、設備の運行状況や位置情報を収集・閲覧・分析するためのM2M環境構築に必要な製品・サービスを提供する「M2Mトータルサービス」となる。大手通信キャリアの中国移動通信(チャイナモバイル)とパートナーシップを結んでおり、チャイナモバイルのネットワークやデータセンター、ルータやSIMカードの調達、SIMキッティング、保守サポートまでをトータルで提供する。

 本間総経理によると、「M2Mビジネスでの競合は、日系IT企業ではなく、ボーダフォンなどの欧米系や中国系の大手通信キャリア。日系の当社は価格面では劣るイメージがあるが、むしろ非日系通信キャリアの法人営業担当者は、4G回線を提案するケースが多く、見積りが高くなりがち。2Gから4Gまでの回線を提案できる当社に優位性がある」という。実際、今年1月に提供を開始し、すでに日系大手の農機メーカーやエレベータメーカー、エアコンメーカーから案件を受注した。約5万台のルータを納品する大型契約もある。

 また、今年7月に北京分公司を設立し、華北地域での営業を強化した。北京に集中する中国のNTTグループとの連携も推し進める。さらに、非日系企業が中心のホテル業向けソリューション事業では、ロボットを活用した新商材を構想中だ。本間総経理は、「今後5年間で売上高を5倍に拡大させる」との目標を掲げている。