インターネットイニシアティブ(勝栄二郎社長)は、今年からインドネシアでIaaS型クラウドサービス「Biznet GIO Cloud」の提供を開始したのに合わせ、現地のITとビジネスの最新状況を伝える「インドネシアITセミナー」を9月に開催した。メインのセッションには、インドネシアの経済とビジネス動向に詳しい松井グローカルの松井和久代表が登壇し、現地の経済政策と市場の動向について解説した。

松井和久氏
 インドネシアはかつて繊維・皮革・食料品などの軽工業製品で国際競争力を発揮していたが、賃金水準が上昇し、「安い労働力」という競争力の源泉が失われつつある。消費需要は拡大しているが、国内製品は中国や他のASEAN諸国からの輸入品に押されており、製造業は伸び悩んでいる。松井氏によると、インドネシア政府には「このままだとASEANにおける“輸入市場”になってしまう、という危機感がある」といい、外資規制や労働ビザ発給制限などが強化されている。今後、輸出の柱となり得る自動車生産についても、「日本企業だけを利する政策」とみられるのを避けるため、政策的な支援には消極的だ。

 しばらくは日系企業にとって厳しい状況が続きそうなインドネシア市場だが、生産年齢人口の増加は2025年まで続き、その後の高齢化のスピードも諸外国より遅いとみられているなど、中長期的にみた場合、市場としての有望性に疑いはないと松井氏は説明。昨年10月に就任したジョコ・ウィドド大統領の政権はICT導入に積極的で、中央および地方政府業務の効率化に加え、汚職の防止や、政治・行政への住民参加促進にもICTを活用する方針を示しているという。

 都市の渋滞を始め、解決すべき社会の課題が多いインドネシアだが、松井氏は「問題があるからこそビジネスのチャンスも多い」と話し、進出を目指す日本企業には「視察ではなく駐在で現地のニーズをつかむことが大切」とアドバイスした。(日高彰)