中国有数のIaaSプロバイダ上海優刻得信息科技(UCloud、季・華CEO)は、中国の大手DC事業者である万国数据服務(GDS、黄偉総裁)の上海自由貿易区のデータセンター(DC)を活用し、金融向けクラウドサービス「金融雲」を開始した。同サービスは、米国基準のTier3準拠のDCのハードウェア資源と融合して、クラウドプラットフォームの構築、運営、サポートまでをワンストップで提供する。UCloudは、国内有数の金融業界向けのクラウド技術・製品を有するクラウドベンダーだ。すでに、東方財富網、拍拍貸、人人貸、口袋理財、捜易貸、快銭など、多くの金融企業にクラウドサービスを提供している。金融業界におけるノウハウを生かし、GDSの上海自由貿易区のDCを活用することで、金融業界の顧客基盤の拡大を図る。

UCloud本社オフィスの様子

 UCloudは、中国金融業界の歴史的な要素などを考慮し、金融雲の専用ラックの設置を中国の金融市場の中心である上海市にDCをもつGDSに決定した。GDSは15年にわたり、中国国内および香港を含めた19か所のDCを運営してきた。UCloudのためにカスタマイズしたハイブリッド型のインフラストラクチャを利用し、物理サーバーとクラウドホストサーバーを統合した。ファイアウォールや小型機、ウェブアプリケーション・ファイアウォール(WAF)、暗号装置など、特殊なハードウェアをつなげることもでき、既存のITインフラを変えずに金融雲につなげ、利用できる。

 中国政府は「走出去」戦略で、企業の海外進出を促している。UCloudは、中国華東、華南のDCを活用して事業基盤を固める一方、中国企業の海外進出に合わせ、東南アジアや米国市場で、DCの開設およびクラウドプラットフォームを拡充して、海外市場への展開を着実に進めている。(文/鄭麗花)