エムオーテックス(河之口達也社長)が行っている情報セキュリティ啓発活動「NO MORE 情報漏えいプロジェクト」が、10月27日で開始1周年を迎えた。同社は、IT資産管理とセキュリティ関連のソフトウェア開発・販売を行っているが、ツールの導入だけで完全に情報漏えい事故を防ぐのは不可能なことから、すべての人に情報セキュリティを自分の問題として認識してもらうため、この活動を開始した。

 プロジェクトでは、ウェブサイトやSNSなどを通じて、仕事や生活のなかで実践できるセキュリティ向上のノウハウやヒントを継続的に提供。Facebook利用時にプライバシーを高める設定方法や、LINEアカウントの“乗っ取り”に関する解説記事が注目を集めたほか、ネットユーザーのパスワード管理状況を調査したリポートなども発行している。

 また、同社の河之口社長は、ITビジネスを中心とした新産業の企業が参画する経済団体・新経済連盟の「情報セキュリティTF(タスクフォース)」で幹事を務めている。9月30日には同TFが主催するセミナーに登壇し、会員企業に向けてこれまでの取り組みを紹介した。

 河之口社長は、「情報漏えい対策は、売上や利益の向上をもたらす投資ではないため、企業本来の事業活動に比べるとどうしても優先順位が下がりやすい。しかし、事故が起これば補償や信用低下による損害は億の単位にもおよぶ」と述べ、TFでの活動を通じて経営者の意識改善を推進していく意向を示した。

 TFのリーダーを務めるオウケイウェイヴの兼元謙任社長は、「当社も過去にはDDoS攻撃のターゲットとなったことがあるが、他社との情報共有も含め防御態勢を整えたことで、業務やサービス提供への影響を防ぐことができた。会員はもちろん、会員以外の企業に向けても情報を発信し、日本企業のセキュリティレベルの底上げを図りたい」と話し、情報漏えい防止には各企業の個別的な取り組みに加え、企業同士のコミュニケーションを活発化することも必要と強調する。「多くの企業では、実務を担当するIT部門と、経営層との間で情報セキュリティに対する認識のギャップが大きい」(兼元社長)ことも課題の一つで、そのギャップを埋めていくこともTFの役割という。経営層のセキュリティ意識が高まれば、企業内におけるセキュリティ担当者の地位が向上し、より実効性の高い対策を打てるようになるという考え方だ。

 エムオーテックスでは、今後も情報漏えい防止に役立つコンテンツをさまざまな形で発信し、社会人・生活者が知っておくべき正しいセキュリティ知識を伝えていく方針を示している。(日高彰)

エムオーテックスの河之口達也社長(左)とオウケイウェイヴの兼元謙任社長