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インテル 「Intel IoT ASIA 2015」を開催 IoTへの取り組みを紹介

2015/12/17 19:07

週刊BCN 2015年12月14日vol.1608掲載

 インテル(江田麻季子社長)は、IoTへの取り組みや最新技術、事例を紹介する「Intel IoT ASIA 2015」を都内で開催した。

APJ
DCSエンベデッド・
セールス・
エンベデットDCSディレクター
ロニー・マカリスター氏
 イベント冒頭では、米インテル APJ DCS エンベデット・セールス エンベデット DCS ディレクターのロニー・マカリスター氏が開会の挨拶を行った。マカリスター氏によると、中国を除くアジア太平洋地域において、2015年現在、28億人いる人口に対するIoTの浸透率は4.4%、売り上げは8881億ドルだが、20年には、浸透率は10.1%、売り上げは2兆6026億ドルにまで達するという。マーケットが年々拡大し、20年には約500億のデバイスがインターネットにつながるとされるなかで、インテルは、「(PCやサーバーなどと同様に)オープンな業界標準を達成することによって、スケーラビリティを確保することができる」との見方を示した。

 続いて、米インテル IoT事業本部 副社長 兼 IoT戦略・テクノロジーオフィス 本部長のローズ・スクーラー氏が登壇し、基調講演を行った。

 スクーラー氏によると、IoTの世界を実現するためには、「リファレンス・アーキテクチャ」「IoT製品ポートフォリオ」「パートナーエコシステム」の三つが重要であるという。インテルは、IoT向けリファレンスモデルを実装した「インテル IoT プラットフォーム」を提供。IoTプラットフォームのリファレンスアーキテクチャでは、今までネットワークにつながっていなかったモノをゲートウェイを介して、セキュリティを担保しながら接続する。これにより、モノそのものにコンピューティング能力と接続性をもたせ、セキュリティをモノのところまで広げるという。

IoT事業本部 副社長 兼
IoT戦略・テクノロジー
オフィス本部長
ローズ・スクーラー氏
 製品のポートフォリオとしては、ソフトウェアでの拡張性をもたせる必要があるとして、「Atom」「Core」といった、用途に合わせたCPUを紹介するとともに、IoT向け「Quark」プロセッサに新たなラインアップを追加したと発表。低消費電力、エッジでの高性能な処理能力が特徴であるという。また、IoTで収集したビッグデータを分析するデータサイエンティストや、アプリ開発者を支援するオープンソースのアナリティクスプラットフォーム「TAP(Trusted Analytics Platform)」を紹介した。

 エコシステムについて、スクーラー氏は「IoTのさらなる拡大は、1社だけでは成し得ない。広い企業がかかわるエコシステムが必要であり、われわれのビジョンを具現化するみんなの努力が必要」と訴えた。実際に、インテルのパートナーであるSAPは、インテル IoT プラットフォームと「SAP HANA Cloud Platform」を活用したIoTソリューションを開発する予定で、現在パイロット段階にあるという。

 スクーラー氏はIoTを、「(PC、インターネットに続く)第三のコンピューティングの波」と表現する。IoTを活用することで、「今まで想像もしていなかったようなデータの利用が可能になる」と期待を示し、そのためには、オープンかつセキュアで、インテルとエコシステムを介してみんなの努力を結集することの重要性を強調した。(前田幸慧)
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外部リンク

インテル=http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html