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マネーフォワード 経費精算アプリをリリース クラウド会計との連動で差異化

2016/02/04 19:08

週刊BCN 2016年02月01日vol.1614掲載

 クラウド会計のマネーフォワードは1月14日、クラウド経費精算アプリケーション「MFクラウド経費」のβ版の提供を開始した。同社の主力であるクラウド会計アプリケーション「MFクラウド会計」は、入力作業を徹底して自動化し、SMBのバックオフィス業務を飛躍的に効率化するというコンセプトを訴求し、急成長している。これを経費精算システムにも適用するとともに、経費精算システムと会計システムのスムーズな連携を実現し、経理業務のさらなる効率化を図った。

黒田直樹
リーダー
 黒田直樹・MFクラウド本部経費チームリーダーは、MFクラウド経費について、「MFクラウド会計の基盤をうまく活用した新しいサービスであり、開発の背景には、制度的な追い風もあった」と振り返る。

 「平成28年度税制大綱案で、領収書や請求書など、国税関係書類のスキャナ保全制度が大幅に緩和された。現行では、スキャナ以外のデバイスで撮影した画像データは電子保存が認められていなかったが、スマートフォンで撮影した画像が認められることになる。これにより、書類の電子保存が飛躍的に普及するとみており、経費精算、さらにはそこに紐付く会計の分野でも、スマートフォンが果たす役割は大きくなると考えた」(黒田リーダー)。

 同社の独自調査によれば、経費精算に擁する時間は一人あたり平均66分で、74%の人が煩わしさを感じているという。「予想通り課題が大きく、入力の徹底した自動化を図れば、差異化が可能だと考えた」(黒田リーダー)という。

 こうした課題を踏まえ、MFクラウド経費は、クレジットカードや電磁マネーの明細を自動取得して経費登録するという、同社の会計や家計簿アプリではおなじみの機能を実装したほか、紙の領収書はスマートフォンで撮影したものをオペレータが入力する仕組みにした。これにより、「手入力の手間を完全になくすことを可能にした」と、黒田リーダーは手応えを語る。

 経理業務の効率化の観点では、領収書と明細がセットなので経費入力のチェックが容易になるほか、MFクラウド経費で経費登録したり、経費申請が承認されたり、経費をまとめて集計処理したりといった業務単位で実現するMFクラウド会計とのシームレスな連動への期待が大きい。スマートフォンで撮影した領収書はMFクラウド経費内に保管するため、ユーザー企業のペーパーレス化に貢献できるほか、仕訳に直接紐づけることもできるため、記帳確認の大幅な効率化が可能だ。さらに、給与計算の「MFクラウド給与」にも連動し、給与明細に経費精算分を記録するとともに、支払いデータに給与と経費精算を合算する機能も備えている。(本多和幸)
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外部リンク

マネーフォワード=http://corp.moneyforward.com/