キッセイコムテック(神澤鋭二社長)は、営業パーソン向けのiPad見積もりシステム「RAXIS」の拡販に本格的に取り組む。まずは葬祭業界を足がかりに、小売り・卸売業の店舗やショールーム、ブライダル業界、医療・介護業界などにも水平展開すべく、業種向け機能の開発やパートナーエコシステムの構築を進める考えだ。

山田高志
マネジャー
 昨年5月に発売したRAXISは、もともと葬祭業の既存顧客向けに開発した製品だ。葬祭業は、事業の性質上、仕事が突然発生し、営業機能を担う「葬祭ディレクター」が、短時間でクライアントと契約内容を相談して決定する必要がある。従来、こうした業務プロセスは、紙の資料などを使い、アナログで進めることが多かったという。同サービスを開発した山田高志・システムソリューション事業部第1システムソリューション部第1SSグループマネジャーは、「葬祭ディレクターが、喪主の方などとの打ち合わせの場で、わりやすくサービス内容を示し、先方のご要望をうかがいながら、どこでもその場で見積もりを作成できる機能が求められていた」と振り返る。結果として、汎用性のある製品に仕上がったため、パッケージ化して販売を開始した。

 開発にあたっては、ユーザビリティに徹底してこだわったという。わかりやすくシンプルなUIを意識したほか、「葬祭業でも、各社ごとに見積もりのフォーマットは違う」(山田マネジャー)ため、見積もりの入力画面は、導入先の企業が自社の業務に応じて簡単にカスタマイズできるようにしているという。Excelで見積もりフォームを作成してそのまま登録して使うことも可能だ。

西 弘之氏
 さらに、販売管理などの基幹システムやCRM、SFAとの連携機能ももちろん備える。「ある程度規模の大きいユーザーには必須の機能。RAXISをフロントシステムとして採用していただくことで、社内の業務フローも大幅に効率化できる」と、山田マネジャーは自信をみせる。

 ラインアップは、オンプレミスのパッケージ版が先行していたが、クラウド版の提供も開始する。クラウド版は、より小規模なユーザーにも気軽に使ってもらえる料金体系を意識している。

 開発の経緯を踏まえても、葬祭業のニーズは高いと見込んでいるため、まずは同業界での拡販を目指す。ただし、システムソリューション事業部ソリューション営業部の西弘之氏は、「順次、他の業界向けにも、業界特化の機能を付加した製品をリリースする」としており、RAXIS事業の加速度的な成長を目指す意向だ。また、そうしたバーチカルな市場に強みをもつ販売パートナーの獲得も随時進めていく。(本多和幸)