沖電気工業グループで、電子機器の評価試験サービスなどを展開する沖エンジニアリング(柴田康典社長)は、埼玉・本庄市に「第二EMCセンター」を新設し、稼働を開始した。車載電子機器や医療・産業機器向けの試験受託サービスを拡大する。

柴田康典
社長

 沖エンジニアリングは、電子機器・部品の信頼性・特性評価や、各種認証取得のための安全性試験・コンサルティングサービスなどを提供している。現在は沖電気グループ内での売り上げの割合は小さくなっており、外部からの受注が8割以上を占めるという。産業・工作機器、航空宇宙、自動車関連の評価・試験を多く手がけていたが、最近は車載電子機器の数が急速に増加していることから、自動車向けの売り上げがとくに伸びているという。
 今回新設したセンターは大型の電波暗室を有し、製品から他に妨害を与える電磁的ノイズが発生していないこと、そして外部からの電磁波に対し製品が十分な耐性をもつことを確認する「EMC」と呼ばれる試験を実施する。試験では製品の全周囲360度からの測定が必要なため、電子機器を搭載した自動車の回転が可能なターンテーブルを床面に備えているほか、通水状態での試験が必要な医療機器に対応するための給排水設備も用意した。新センターの稼働開始により、EMC試験の対応能力は従来の倍になるという。また、電波暗室に隣接して、恒温恒湿室などの設備が設けられており、高湿度環境での絶縁性能などを確認する「製品安全試験」をあわせて実施することが可能。

電波暗室には直径5メートルのターンテーブルを用意。製品を回転させながらノイズなどを測定する

 柴田社長は、「従来のEMCセンターの能力が飽和状態だったため、今回の施設拡充によってお客様をお待たせする時間を短縮し、製品開発のスピードアップに貢献できる」と説明。また、単に設備の提供や試験の代行を行うだけでなく、各国の最新の法規制に対応するにはどのような評価項目や対策が必要かといった、ノウハウのサポートも提供している点を強みとしている。高度化する各種機器やIoTソリューションの開発を支援するため、今後も継続的に試験体制を強化していくという。(日高 彰)