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日印ソフトウェア インド国内向けスポーツテクノロジープラットフォーム開設 日本企業から出資を期待

2016/06/02 14:27

週刊BCN 2016年05月30日vol.1630掲載

 日本のオフショア開発やテスト検証で約20年の実績があるインドのソフト会社、日印ソフトウェア(SNギリ社長兼CEO)は、印UTPAARA SOLUTIONS社と共同出資で、インド国内でスポーツを趣味とする人向けのテクノロジープラットフォームを運営するベンチャー企業「CIALFO SOLUTIONS(シーアールフォー ソリューションズ、VENKATA RACHUR社長)」を設立し、昨年6月に水泳向けのソリューション「SwimIndia」(ポータルサイト、AndroidとiOSのスマホアプリ)を立ち上げた。同サイトは、競技者やスポーツジム・クラブ、国や自治体の競技団体などと連携し、全国で開催の大会の情報や記録の閲覧、指導者や競技者の練習進捗などをSNSやアプリで共有できる。CIALFO社は現在、同プラットフォームの拡張、営業拡大を捻出するため出資者を募っている。

日本で開催の「Japan IT Week春」でもブースを出した
日印ソフトのSNギリ社長兼CEO
 SwimIndiaは、水泳の泳者である子どもや大人、監督や泳者の両親、水泳クラブなどに有益な情報を発信するポータルサイトを含めたトータルソリューションだ。水泳大会や水泳クラブ、ジムなどの活動に関する情報発信だけでなく、各関係者がSNSを通じ、メッセージや写真、ビデオなどを投稿し共有できる。ギリ社長兼CEOは、「五輪で活躍する人材を若い段階から育成する」ことが最終目標という。

 特徴としては、プラットフォームで水泳に関する国内情報をまとめて収集できることだ。泳者や指導者に必要な栄養やダイエット、トレーニングなどを専門家の情報から得られる。泳者個人では、スマートフォンのアプリを利用し、自身の泳法の自己評価や記録などを残し、データをもとに解析も可能。「大会の情報や記録の収集方法も、紙ベースでやっている大会運営者やジムの管理者が多く、情報が行き渡らない」(ギリ社長兼CEO)と、CIALFO社がデジタルで情報共有する仕組みをつくった。

昨年6月にインドで開設した水泳向けのポータルサイト「SwimIndia」

 中国に次ぐ人口を抱えていながら、インドが五輪でメダル獲得できる競技は、バトミントンなどに限られる。世界のスポーツ強国で定着している若い頃から育成するコミュニティを育て、将来的に五輪で活躍できる人材を輩出する。同ポータルは、スポーツ熱を喚起する目的を果たす。当面は、親が子どもに通わせることが増えた水泳関連の利用者を増やし、順次要望に応じて機能拡張する。将来的にはバトミントン、テニスなど他のスポーツへも波及させる計画だ。

「SwimIndia」のスマホアプリ

 現在、日印ソフトの本社があるバンガルール周辺の都市向けに情報発信しているが、数年かけて全国の情報を得られるようにする。同システムの来訪者が増えれば、スポーツ用品やジムなどの広告や電子商取引(EC)などが収益モデルになる。ギリ社長兼CEOは、「ベンチャー企業であるため、当面の運用資金が不足している。すでに主要水泳大会の15のイベントに協賛してもらっている。全国への波及など将来性を評価してもらい、日本企業からの出資を期待したい」と、呼びかけている。すでに、さまざまなスポーツ用品会社、水泳クラブ、連盟とのパートナーシップができている。(谷畑良胤)
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