米イクシアの日本法人であるイクシアコミュニケーションズは、4月1日付で新社長に伊吹仁志氏を迎えた。狙いは、エンタープライズ(一般企業)向け市場への注力にある。

 イクシアコミュニケーションズは、これまで主に通信事業者向けにネットワークテストのソリューションを提供してきた。限られた市場であることから、社内の人員で営業活動や導入支援などを賄うことができていた。

 その同社が現在、新たに注力しているのが、ネットワーク可視化製品「Vision One」と企業ネットワーク防御製品「TreatARMOR」の販売、そのための体制づくりである。「ネットワークテストだけでは市場が限られるため、成長を続けることができない。ネットワーク可視化やネットワーク防御は、市場が何倍も大きい」と、伊吹社長は狙いを語る。ただ、エンタープライズ向けには製品を提供してこなかったことから、社内には製品を販売するためのノウハウがないうえ、エンタープライズ分野では知名度が高いとはいえない。

伊吹仁志
代表取締役
 そこで伊吹社長は、社内体制を強化。エンタープライズ分野に強い人材の採用やマーケティング、チャネル戦略などを進めている。「エンタープライズ分野のマーケットにリーチするには、チャネルの力が重要となる。4月13日にマクニカソリューションズと販売代理店契約を締結した。今後も販売代理店を開拓していきたい。ただ、むやみに販売代理店を増やすようなことはしない。市場への的確なリーチを考慮しながら、最適なパートナーを探していく」。マクニカソリューションズは、ネットワーク機器からソフトウェアの導入と運用まで、ワンストップで提供できるソリューションプロバイダである。とくに、セキュリティソリューションに強みをもつため、Vision OneとTreatARMORの方向性とマッチした。

 とはいえ、エンタープライズ分野は、イクシアコミュニケーションズにとって大きなチャレンジである。そのため、伊吹社長は最適解を模索しながら、新規事業の開拓に努める考えだ。「仮説を検証しながら進めていくことになる。失敗の可能性も否定できないが、今はまだインパクトが小さい。失敗を恐れず、PDCAサイクルを回していく。パートナーとのコラボレーションの仕組みも、まだ不十分だと感じている。もっと活性化できるような取り組みを進めていきたい」。伊吹社長は、人材採用も引き続き強化していくとしている。

 ちなみに、企業ネットワーク防御製品であるTreatARMORは、怪しいトラフィックをネットワークの入り口で排除する機能をもっている。「TreatARMORは、怪しいトラフィックを手前で排除するため、セキュリティの前段として機能するという驚異の最前線にある製品。これまでにないポジションのセキュリティ製品であることから、次世代ファイアウォールなどと一緒なら販売しやすいのではないか」と伊吹社長は考えている。(畔上文昭)