サイボウズ(青野慶久社長)は6月14日、サービス産業生産性協議会主催、経済産業省ほか4省が後援する「日本サービス大賞」で、医療法人ゆうの森(愛媛県、永井康徳理事長)の「在宅医療により地域を再生するへき地医療ビジネス」が、地方創生大臣賞を受賞したと発表した。ゆうの森では、この取り組みの実現にあたり、サイボウズのウェブデータベース型のクラウドサービス「kintone」を利用している。

 ゆうの森は、医療から介護まで一体化した在宅専門クリニックの診療に加え、松山から100km離れた過疎地域である西予市の診療所を運営している。この診療所は、年間3000万円の赤字が続き、廃止の危機にさらされていた。しかし、診療所の存続を願う住民の声を聞いた永井理事長は、この診療所と現在松山市にあるクリニックと一体運用することで、赤字を解消する方法を考案し、運営を引き継いだ。現在は、ゆうの森の医師が日替わりで西予市の診療所に通い、24時間365日の運用体制で、患者の包括ケアを行っている。

 複数の医師が毎日交代で患者を診察していくため、医療スタッフ間で引き継ぎが円滑な業務遂行の要となる。そこで、ゆうの森では、診療情報、介護記録、投薬管理、日々の申し送りや過去の入院情報をkintoneで患者ごとに管理し、 栄養士、事務員、理学療法士、薬剤師、ヘルパー、医師、看護師、ケアマネージャーなど、患者と関わるスタッフがリアルタイムに情報を共有する仕組みを取り入れた。これにより、クリニック全体で患者を見守る体制を整え、広域でのきめ細かな医療活動を実現している。

 ゆうの森は、このシステムを活用し、引き継ぎからわずか4か月で西予市の診療所の黒字化に成功。ITを活用し、へき地診療所を再生させた模範的事例として、今回、「日本サービス大賞」で地方創生大臣賞を受賞した。