シスコシステムズ(鈴木みゆき社長)は、ネットワークトラフィックやサーバー上のプロセスを監視することで、データセンターの状態を可視化する分析プラットフォーム「Tetration Analytics(テトレーション アナリティックス)」を発表した。データセンターの稼働状況に関連するさまざなデータを、機械学習技術を用いて分析し、トラブル対応やセキュリティ強化に役立てることができる。伊藤忠テクノソリューションズ、日本IBM、ネットワンシステムズ、ユニアデックスが初期パートナーとして日本市場における同製品の展開に賛同を示している。

米シスコシステムズ
ラジーヴ・バドワージ
バイスプレジデント
 Tetration Analyticsでは、仮想マシンまたは物理サーバーにインストールするソフトウェアセンサと、シスコ製ネットワークスイッチ「Nexus 9000シリーズ」が搭載しているチップから、ネットワークのフロー情報や帯域幅などを収集し、それらのデータをリアルタイムで分析する。データセンターの可用性や性能を管理するツールは各社から提案されているが、米シスコシステムズのInsieme部門でプロダクトマーケティングを担当するラジーヴ・バドワージ・バイスプレジデントは「サーバー中心のパフォーマンス管理ツールに対して、われわれの製品はエンド・ツー・エンドの可視化を提供できる」と説明。ネットワークからサーバーまでを単一の分析プラットフォームで監視することで、アプリケーションに性能低下などの不具合が発生したとき、ITインフラ側で何が起きているかを正確に知れるのが優位な点だという。

 また、フロー情報を解析することにより、アプリケーション間の依存関係を把握できるのが特徴で、大きくわけて二つの利点につながっている。一つは運用上のメリットで、トラブルシューティングに役立つだけでなく、システムに変更を加える場合や、新たなインフラに移行する際の影響範囲を正確にシミュレーションできる。もう一つはセキュリティで、平常時のフロー情報を収集し、その分析結果を反映した運用ポリシーを作成することで、本来通信が発生しないアプリケーション間でパケットが送受信された場合、ポリシー違反の挙動としてアラートを発したり、ネットワーク機器と連携して通信を自動的に遮断したりできる。また、長期にわたってフロー情報を蓄積することで、性能低下などの不具合時だけでなく、サイバー攻撃に遭った際も、侵入を許した原因や被害の状況を過去にさかのぼって調査することが可能になる。

藤本司郎
執行役員
 シスコシステムズ日本法人でデータセンター/バーチャライゼーション事業を統括する藤本司郎・執行役員は、Tetration Analyticsを「データセンターで起こっているすべてのことを可視化、自動化し、過去に発生したこともタイムマシンのようにさかのぼって確認できる」ソリューションであると紹介。当初の提案先としては、依存関係が複雑な多数のアプリケーション資産をもつ金融機関、性能低下の原因を正確に分析する必要があるサービスプロバイダ、高度なセキュリティが求められる政府機関や官公庁などを想定しているという。(日高 彰)