サイボウズ(青野慶久社長)のアジア地域でのビジネスが順調に伸びている。昨年、同地域でのkintoneの営業を本格的に拡大すべく開始したパートナープログラムである「Cybozu Asia Partnership Program」がうまく回り始めているようだ。(本多和幸)

 サイボウズは、100%子会社の才望子信息技術(上海)を擁する中国市場で先行して海外ビジネスを立ち上げてきた。同国内の顧客はすでに約700社まで拡大しているほか、kintoneを武器に、他のアジア地域、とくに東南アジアでのビジネスが伸びており、顧客数は100社を超えた。鈴木孝充・アジアマーケティングディレクターによれば、「kintoneがビジネスの中心だが、相乗効果で(中堅・大規模組織向けグループウェアの)ガルーンも売れている」と話す。

 kintoneユーザーの拡大については、Cybozu Asia Partnership Programが追い風になっているのは間違いない。リード創出はサイボウズ自身が行い、1国につき1社という基本方針のもと、フィット&ギャップから現地語のサポート、現地通貨での決済までできるパートナーを総販売代理店として置き、市場を開拓してきた。「日系企業は、日本から出向してきたマネージャー層がそもそも現地法人のビジネスの現状把握に苦労するというケースが非常に多く、そうした課題を解決するための業務プロセス可視化ツールとして、kintoneを使いたいというニーズは高い。セミナーなどを通して、十分に見込み案件をつくることができている」と、鈴木ディレクターは手応えを語る。また、kintoneビジネス拡大のための取り組みを東南アジアでも積極的に行ったことで、サイボウズ自体の認知度が向上し、これがガルーンの好調にもつながっている。

鈴木孝充
アジアマーケティングディレクター
 さらにこの1年で、ローカル企業の開拓も道筋がみえてきた。鈴木ディレクターは、「ビジネスがとくに先行しているタイやベトナムでは、日系企業でも、現地の人材がサイボウズ製品導入の意思決定に携わることが多くなっている。これらの国は人材の流動性が日本よりも高く、彼らが転職したり、友人知人に口コミで推薦してくれたりすることでユーザーがどんどん広がっていくことを実感している」と話す。さらにミャンマーでは、ローカル企業がユーザーの中心になる可能性すら感じているという。「これまでは海外製品に対する規制が強く、欧米ベンダーの製品も入ってきていない。急成長しているローカル企業であっても、まともな情報システムが入っていないことも多い」(鈴木ディレクター)という状況を、大きなビジネスチャンスとして捉えている。