サイボウズのPaaS「kintone」の勉強会コミュニティ「kintone Cafe」の初の全国イベント「kintone Cafe JAPAN」が、11月11日、都内のサイボウズ本社で開かれた。kintone Cafeは、2013年12月にユーザーが中心となって立ち上げたコミュニティであり、その後、有志による支部設立や勉強会の開催の波が全国に広がった。kintone Cafe JAPANは、こうして急拡大したコミュニティのメンバーが一堂に会する機会を設けるべく企画されたもので、今後は年に一度、定期的に開催される予定だ。

kintone cafeの支部数は30に達した

kintone Cafe JAPAN 2016の
基調講演に登壇する
斎藤氏
 kintone Cafeの創始者は、札幌支部運営事務局を務めるラジカルブリッジの斎藤栄氏だ。「とにかくkintoneが好きすぎて、みんなに知ってもらいたい、使ってもらいたいと思ったのが出発点だった」と振り返る。「kintoneに触ったことがない人からプロのエンジニアまで、kintoneの活用法を学び、教え合う場にするという理念を最も大事にしている。だから、ビジネス色は敢えて出さないようにしている。大人になってから新しい友達ができる機会というのはそれほどないが、懇親会があって、仲間が増える、緩いコミュニティを志向していて、楽しんで参加できることが重要だと考えている」。

 東京支部の運営事務局を担うジョイゾーの四宮靖隆氏も、「支部ごとの活動は統一的なKPIなどを設定する必要はないと考えていて、多様性を尊重している。それぞれの地域でそれぞれのやり方で運営してもらえばいい。アメーバのようなコミュニティをイメージしている」と話す。もちろん、最終的には「コミュニティに参加・貢献する企業や個人にメリットのある場にしていきたい」としているが、kintone Cafe運営の中心的役割を果たしている彼らが現時点で重視しているのは、とにかく「kintoneの輪」を大きく広げることと、活動の継続性を担保すること。そのためには、ビジネス上のメリットをストレートに追求するセミナーのようなスタイルは合わないと考えたようだ。

kintone Cafe運営の中心的存在であるラジカルブリッジの斎藤 栄氏(中央)、
ジョイゾーの四宮靖隆氏(左)、アールスリーインスティテュートの金春利幸氏(右)

 メーカーであるサイボウズとの距離感も独特だ。kintone Cafeは、あくまでもユーザーや開発者が手弁当で運営するコミュニティであり、アールスリーインスティテュートの金春利幸氏の言葉を借りれば、「サイボウズとは友達以上恋人未満の関係」。サイボウズは、kintone Cafeの運営に投資もしていない。そのため、よりフラットな関係でコミュニティからkintoneに関する要望をサイボウズにぶつけることもできるといえそうだ。

 斎藤氏は、「永続的なコミュニティにするためには、スキームの変化も恐れずにやっていく必要もある」とも指摘するが、「参加者の自由を大切にし、それぞれの熱意がコミュニティの活動を支えるコミュニティではあり続けたい」としている。(本多和幸)