マジックソフトウェア・ジャパン(マジックソフト、佐藤敏雄社長)とオービックビジネスコンサルタント(OBC、和田成史社長)は、両社のソフトウェアを連携したスマートフォン(スマホ)で利用する販売管理や仕入・在庫管理のサービスを両社のパートナー経由で販売を開始した。クラウドの拡大で自社製品をより拡販したいOBCと、業界トップクラスの導入実績を誇るOBCのユーザー企業に対して、自社アプリを展開したいマジックソフトの思惑が一致した。導入企業側では、営業担当者などが業務システムのデータを外出先で閲覧できるようになることから、「働き方改革」を支援する起爆剤になりそうだ。

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左からOBCの永盛課長代理、マジックソフトの佐藤社長、OBCの森課長、マジックソフトの渡辺マネージャ

販売実績を外出先で閲覧・更新 両社パートナーが全国販売

 両社で販売しているのは、OBCの販売管理システム「商奉行」と仕入・在庫管理システム「蔵奉行」のデータをCSVファイルで取り込み、スマホなどモバイルデバイスで一覧・明細表示したり、グラフや地図で確認できる業務アプリケーション。両社の共通ブランド「スマホ de 営業支援 for 奉行」として販売中だ。同アプリは、OBCの商奉行と蔵奉行向けにマジックソフトが提供するモバイルアプリ・テンプレート「おしえてスマホ CRM」を使って開発した。

 おしえてスマホ CRMは、すでに使っているCRM(顧客情報管理)に活動記録や状況をスマホやタブレット端末から直接更新できる「ソース公開型」のモバイルアプリだ。「顧客訪問前などに過去データを確認、更新することができる。顧客データはつねに更新できるため、生きた情報が得られる」(マジックソフトの渡辺剛・マーケティング部マネージャ)と好評で、CRMの連携アプリとして導入が加速している。

 OBCは2016年当初、マジックソフトの「おしえてスマホ CRM」の存在を知り、両社での交渉を開始。開発・販売の両面でめどをつけ、同年6月30日に販売を開始した。連携アプリの展開を主導したOBCの営業本部東京支店でSI・コンサルティングパートナー営業課首都圏グループの永盛孝太課長代理は、「導入した顧客側では、過去の販売実績から今後の案件情報までを一気通貫で営業活動に生かせるようになる。販売管理などにある業務データは、事務系の担当者や一部の役職者が社内で閲覧することが多く、外回りの営業活動に使うことが少なかった」と、商奉行と蔵奉行の利用が拡大し、顧客の満足度を上げることに役立つと判断した。

 スマホde営業支援 for奉行の価格は、クラウド版の初期費用が5万円、年間使用料が5ユーザー/18万円からで、ヘルプデスクが年6万円。オンプレミス版もあり、5ユーザーで54万3000円となっている。地図ソフトは、ゼンリンの「いつもNAVI」を搭載予定で、5000ビュー/月まで無料で使える。

全国49社のパートナーが販売・技術支援

 両社の協業の特徴は、全国のOBCパートナーとMagicパートナーが協力して販売することだ。マジックソフトの佐藤社長は、「全国のMagicパートナーがOBCパートナーに協力し、環境構築や運用、カスタマイズ、サポートなどの支援を行う」と、現段階で49社がスマホde営業支援 for 奉行を販売できる体制を整えた。
 
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 OBCで永盛課長代理と同じ所属の森猛・課長兼アライアンス統括グループ長は、「奉行シリーズの既存顧客は数万社ある。このうち8~9割は、オンプレミスで利用している。当社は現在、クラウド事業を推進しており、こうした顧客にオプションでスマホde営業支援 for 奉行を販売することで、クラウド環境に変えていきたい」と、商奉行・蔵奉行に限らず、他のアプリでの展開も視野に入れる。

 マジックソフトも同様に、「スマホ・モバイルの開発を手がけるパートナーは増えた。だが、依然としてオンプレミス環境でのアプリ開発ベンダーが多い」(佐藤社長)と、これを機に、パートナーをクラウドベンダーへの移行を促したいという。同社は、他の業務アプリベンダーとも連携を強めており、OBCとの協業が成功すれば、新たなビジネスが創出されると期待する。

 販売管理システムなど、営業データを扱う業務アプリは、とくに中小企業での導入率が低く、Excelベースで対応するケースが多い。また、システムを導入していても、営業担当者が外出先で閲覧できたり、リアルな情報に更新する企業は少ない。

 既存システムとスマホなどモバイル端末に連携させるためのデータ連携ツールは多いが高額であり、中小企業では二の足を踏む。スマホde営業支援 for 奉行は、こうした導入側の悩みを解決し、「働き方」の改革につながるツールとして波及しそうだ。(谷畑良胤)