埼玉医科大学(埼玉医大、別所正美学長)の保健医療学部(加納隆教授)と日立システムズ(北野昌宏社長)は2月6日、埼玉医科大学国際医療センター(小山勇病院長)の協力のもと、医療機関で使用されるさまざまな医療機器が発する異常警報をはじめ、故障や異常動作につながる可能性のある稼働状態を検出し、医療従事者に通知する「遠隔一元監視システム」を共同で開発したと発表した。

 遠隔一元監視システムは、埼玉医大と埼玉医大国際医療センターが培った医療機器の利用・運用に関する知見と、日立システムズがもつIoTを活用した情報収集技術を融合して共同開発した。異なるメーカーの医療機器であっても、情報を一元的に収集することができ、PCやタブレット端末、スマートフォンなどから状況を確認できるため、各所に点在する医療機器の状態を迅速に把握し、医療従事者による早期対処を支援する。

 サービスの提供に先立ち、埼玉医大と同サービスの実証実験を埼玉医大国際医療センターで3月まで行う。この結果を踏まえて4月にサービス提供を開始する予定。実証実験では、各医療機器に取り付けた情報収集装置(IoTゲートウェイ)を介し、機器の出力する稼働情報(データ)を収集する。収集したデータは院内ネットワークを経由し、インターネット上のデータ収集基盤で一元的に管理する。通常、医療機器が出力するデータは、機器メーカーごとに異なる仕様になっているが、日立システムズがM2M環境の導入を支援する「NETFORWARD M2Mサービス」の提供実績を通じて得たIoT技術により標準化し、データ収集基盤上に蓄積していく。この標準化機能によって、異なるメーカーの稼働情報でも一元的に確認できるようになり、短期間で遠隔一元監視システムを実現可能となった。

 なお、システムは医療機器メーカーに提供することも検討している。医療機器メーカーは、装置故障が発生した場合に遠隔で状況を確認し、迅速に対応できるようになり、装置保守員の作業負担を軽減するとともに、現場対応の円滑な作業につなげることが可能となる。一方、医療現場ではメーカーへの連絡や手続きなど医療機器管理業務にかかる時間や負担を低減できる。

 今後、日立システムズでは同システムをより多くの医療機関や医療機器メーカーに幅広く提供するとともに、院内コミュニケーションシステムや物品管理システム、位置管理ソリューションなどを組み合わせたサービスの提案も行っていくことで、安心、安全な医療の実現をサポートしていく考え。