富士ソフトグループで製造業向けツール開発に強いサイバネットシステム(田中邦明CEO)は、toor(トア、福島県、高枝佳男代表取締役)が開発したビッグデータ解析エンジン「toorPIA(トピア)」を活用した製品開発に力を入れている。特許情報を可視化する「R&D Navi(R&Dナビ)」や、ビッグデータ可視化ツールの「BIGDAT@Viewer(ビッグデータビューアー)」を相次いで開発。主に製造業向けに販売しており、とりわけ昨年末からは「BIGDAT@Viewerへの引き合いや受注が増えている」(サイバネットシステムの矢野弘海・ビッグデータソリューション開発センター長)と、手応えを感じている。

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サイバネットシステムの矢野弘海センター長(左)と
toorの高枝佳男代表取締役

 BIGDAT@Viewerは、製造業の生産ラインで集められたデータを可視化するツールで、不良品の原因を解析し、歩留率を改善するのが目的だ。

 図の「BIGDAT@Viewerの画面イメージ」のように、データのバラツキを視覚的に見せることで、不良品がどこに位置しているのかが一目で分かるようにした。良品とのデータ的な差異が大きいケースは、不良品の原因を特定しやすいが、良品とのデータ的な差異が少ない(図で言えば中心の点が集まっているところ)ケースでは、これまで原因の特定が難しかった。BIGDAT@Viewerを使えば、「良品のなかに混じり込んでいる不良品を、データをより細かく分析することで原因の特定が容易になる」(同)という。
 
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 特許情報可視化のR&D Naviも同様に特許情報の類似性を可視化し、製造業が出願しようとする特許と、類似する他社の特許がどれだけあるのかを視覚的に把握できるようにするものだ。既存の特許との類似性を避けながら新規性の高い分野に戦略的に出願することを支援する。

 ポイントは、可視化によってデータ分析や特許取得の専門家でなくても、全体像が的確に把握できることにある。ビッグデータ解析エンジン「toorPIA」の開発元であるtoorの高枝代表取締役は、「専門家に依頼しなくても、現場の担当者が直接的に把握することで、時間の短縮やコスト削減に役立つ」と話している。

 toorでは、国内向けにはサイバネットシステムとの協業を軸として、主に製造業に向けた製品開発に取り組むとともに、北米では地場のソーシャルメディアなどと組んでデジタルマーケティング領域への売り込みに力を入れる方針。

 サイバネットシステムは、今後、BIGDAT@Viewerのオプション機能として不良品の検知機能を実装していくことを検討している。既存の良品/不良品のデータ的な可視化に加えて、不良品のモニタリング機能を加えることで、より迅速に歩留率を改善することに役立ててもらう方針だ。(安藤章司)