【上海発】NTTドコモ(吉澤和弘社長)は、中国の越境ECサービスから撤退する。2月23日、中国移動通信(チャイナモバイル)が運営するECサイト「和生活」内で展開していた日本商品専門ページ「日本館」を終了すると発表した。開始からわずか5か月での撤退となる。

 NTTドコモは、国際LTEローミング事業などで提携している中国移動通信との関係をもとに、昨年9月26日に「日本館」を開設。中国政府が設置する越境EC総合試験区を活用し、海外では初の実物商品ショッピングサービスとして、日本企業の化粧品、日用品、伝統工芸品などを中国消費者向けに調達・提供していた。

 2月23日時点で、「日本館」には175品目が扱われていたが、サービスは2月28日に終了。この理由について、NTTドコモでは、「現在の事業環境に鑑み、経営資源を集中するため」と説明している。

 中国のEC市場は急成長を遂げており、経済産業省によると、日本から中国への越境ECの市場規模は2016年に1兆円、19年には2兆3000億円に達する見通し。魅力的な市場ではあるが、競争も激しい。アリババグループの「天猫(TMALL)」や京東集団の「JD.com」に加え、「唯品会」「蘇寧易購」「一号店」など、多数のEC事業者が存在する。NTTドコモの提携先である中国移動通信は、モバイル通信では国内有数のシェアを誇るが、ECサイト「和生活」のシェアは高くない。

 加えて、“日本館”も増殖中だ。中国のEC事業者は、自社の越境ECサイト内で各々が“日本館”の名称で日本商品の専門ページを開設している。実際、検索サイト大手の百度で“日本館”と検索すると、トップページに表示されるECサイトは「銀聯海購」「東方購物」などだ。NTTドコモの「日本館」は表示されない。

 中国の越境EC市場を開拓するには、戦略的なパートナー選定やマーケティング活動が不可欠といえる。(真鍋 武)