サンダーソフトジャパン(今井正徳社長)が、自動車向けソフト開発への進出を本格化している。スマートフォンなどと連携する“インフォテインメント”領域で、次世代の車載ユーザーインターフェース(UI)を中心にビジネスを拡大させる。サンダーソフトジャパンの親会社の中国サンダーソフト(中科創達軟件)グループは、今年に入って車載UI開発で実績豊富なフィンランドのRightware(ライトウェア)をグループに迎え入れており、世界規模で車載インフォテインメントビジネスを伸ばす方針を示している。

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今井正徳
社長

 サンダーソフトグループは、スマートフォンの設計で急成長した中国独立系ソフト開発会社で、スマートフォンと親和性が高い車載インフォテインメント領域を「スマートフォンやIoTと並ぶ有望市場」(サンダーソフトジャパンの今井社長)と位置づけている。サンダーソフトがスマートフォン設計で培ってきた高効率な開発手法と、グループ会社のRightwareがもつ車載UIの技術を組み合わせることで、国内の自動車向け電装品メーカーなどを主な販売ターゲットとして売り込みに力を入れる。

 スマートフォンの設計では、クアルコムなどのチップメーカーの仕様に準拠した参照設計(リファレンスデザイン)を、スマートフォンメーカーに提供してきた。こうした参照モデルを使うことで、メーカーは開発期間を短縮し、コストを大幅に削減することが可能になる。この参照モデルを車載インフォテインメント領域に応用することで、自動車部品メーカーの同領域における競争力を高められるようにしていく考えだ。

 スマートフォンと車載インフォテインメントとの融合は、「中国をはじめとする成長国で需要が大きい」と今井社長は指摘している。スマートフォンの操作に慣れたユーザーは、従来型のカーナビ専用機よりもスマートフォンと連動する車載機器を好み、ユーザーがもつスマートフォンを使うことで車載機の価格も安く抑えられる。日本の自動車部品メーカーが、こうした成長市場で車載インフォテインメントのビジネスを拡大させるには、価格を抑えて、スマートフォンとの相互互換性や親和性の高い機器やソフトウェアを開発することが重要になってくる。

 自動車向けソフト開発は、制御系と情報系に大別できる。サンダーソフトは、従来型のカーナビからインフォテインメントへのシフトが急速に進むと考え、同分野の情報系に焦点をあてている。スマートフォンで培った参照モデルのノウハウやRightwareの車載UI技術を提供することで、安く、早く関連ソフトを開発できるよう支援していく。日本法人の直近の売上高構成比は7割がスマートフォン関連、残り3割が車載とIoT関連だが、向こう3年でスマートフォンと車載/IoT関連の売上高比率を逆転させていく方針だ。(安藤章司)