個人ローンでスピード化、効率化ニーズに対応

 アイティフォー(東川清社長)は、地方銀行を主なターゲットとした「個人ローン業務支援システム(SCOPE)」の売り込みに力を入れている。個人ローンの受付から審査、融資の実行、契約管理、与信管理までの一連の業務を自動化する機能を強化。多少の変更ならユーザー自身がパラメータを変更することで手直しが可能になるなど、個人ローンのスピード化、業務の効率化に主眼を置いた。同社は今年6月に同システムを大幅に刷新。先行納入ユーザーとしてすでに3行に納入済みで、最終的には地銀全体の約3割に相当する30行超からの受注を目指す。

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太田哲司
シニアスペシャリスト

 同事業を担当する太田哲司・フィナンシャルシステム事業部営業推進部シニアスペシャリストは、「キーワードはスピード対応にある」と指摘。ローン審査はざっと200項目余りのチェックリストがあり、これを紙と手作業でチェックしていては効率が悪い。新システムでは、審査業務の自動化や、チェックリストをシステム化することによって、即日から翌日には審査を終了。「審査のスピード化と効率化でライバル他行との競争優位性を実現できる」(太田シニアスペシャリスト)と胸を張る。

 とりわけ、受付のインターフェースはペーパーレス化の余地が大きい。新システムでは、インターネットでの申し込み機能の強化や、営業所でのタブレット端末を使った申し込みにも対応。タブレット端末での申し込みでは、本人確認書類を内蔵カメラで撮影して取り込んだり、画面に直接サインして印鑑をなくすなど、タブレット端末が備えている機能をフルに活用できるよう設計している。また、バックエンド系の業務システムと連携させて、一元的に管理することで、従来システムに比べてより一層のスピード化と効率化を実現している。

 個人ローンを巡っては、消費者金融や信販会社、あるいは流通大手からの異業種参入、ネット銀行がシェアを伸ばしている。住宅や教育、リフォーム、マイカーの目的別のローンに加えて、カードローンやフリーローンなど、目的を限定しないローンまでが、地銀がビジネスを伸ばすうえで避けては通れない「重点領域に位置づけられる傾向が一段と強まっている」(同)とみている。

 ITベンダー側も、こうした地銀の投資動向を踏まえたうえで、個人ローンの業務支援システムのビジネスを相次いで強化。同領域ではアイティフォーやNTTデータグループの日本電子計算(JIP)、インテックの3社が高いシェアをもっているとされ、これに富士通やIBMなどコンピュータメーカーも参入している。

 アイティフォーでは、自前で開発してきた「個人ローン業務支援システム(SCOPE)」により磨きをかけることで、他社リプレースを中心にシェアの一段の拡大を目指す方針だ。(安藤章司)