中小企業向けクラウドERP市場開拓に本腰

 富士通マーケティング(藤田正美社長)は、中堅・中小企業向けの基幹業務アプリケーション群「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA きらら」のラインアップに、「GLOVIA きらら 販売」のクラウド版を追加した。これにより、中小企業向けクラウドERP市場の開拓に本腰を入れ、顧客基盤の拡大を進めたい考えだ。

 GLOVIA きららは、大別すると会計、人事給与、販売という三つの製品をラインアップしており、会計と人事給与については先行してクラウド版もリリースしている。対象ユーザーは中堅下位から中小規模の企業、より具体的には年商30億円以下の企業だが、オンプレミスのパッケージ版は20ID程度までの利用を想定した中堅下位層の企業を、クラウド版は5ID以下で利用する中小企業をそれぞれコアユーザーとして想定している。

 GLOVIA きらら 販売は、製品名こそ販売管理ソフトを彷彿とさせるが、実際は、基本機能である売上・売掛請求管理に加え、仕入・買掛・支払管理、見積管理、在庫管理、受発注管理、出入荷管理など非常に幅広い機能を網羅している。そのため、会計や人事給与に比べると導入コストも高く、実際は中堅下位層のユーザーがほとんどで、中小企業への導入は進んでいなかったのが実情。しかしクラウド版では、パッケージ版の機能を業務単位で分割して利用できるようにしたため、スモールスタートもしやすくなり、中小企業にフィットしたコスト感のサービスを実現できたという。

 同社は、GLOVIA きらら 販売のクラウド版をリリースしたことにより、「会計、人事給与から販売まで、共通基盤によりUI、データベース、マスタなどを統合管理し、業務間をシームレスに連携させて経営に生かすというERPの本質的な価値を、クラウド上で完結するかたちで提供できるようになった」(同社担当者)という。これは、とくに中小企業にとって大きなメリットがあると考えているようだ。機能ごとに単体で業務ソフトを導入しているようなユーザー企業などに幅広く同社製品をアピールし、ユーザー数を大きく伸ばしたい意向だ。GLOVIA きらら 販売のクラウド版については、3年間で1万ライセンスの販売を目指す。(本多和幸)