メンテナンス業向けに拡販

 システム連携ツールのマジックソフトウェア・ジャパン(佐藤敏雄社長)と業務ソフトウェアベンダーの応研(原田明治社長)が協業し、両社の連携製品を発売する。幅広い業種に対応する応研の「顧客大臣 NX ERP」と直接連携するモバイル向けアプリケーションを、マジックソフトの超高速開発ツール「Magic xpa Application Platform(Magic xpa)」を使って製品化。当初は、メンテナンス業向けに両社のパートナーを通じ相互に販売し、初年度で100社の導入を目指す。

容易にカスタマイズ可能

201710121739_3.jpg
マジックソフトウェア・ジャパンの資料をもとに「週刊BCN」編集部で作成

 マジックソフトのMagic xpaで開発した新製品「スマートセールス for 顧客大臣」は、業種ごとに異なる顧客管理の要件に応じ、機能追加や仕様変更などのカスタマイズが容易にできるほか、ワンソースでiOSやWindows、Androidの各種OSとデバイスに対応できる。同製品は、顧客大臣のAPIを使いデータベースと直接連携しているため、ユーザーが外出先などでスマートフォンなどのモバイル端末を使い、リアルタイムに情報閲覧したり、更新、入力が可能だ。両社は、新製品を「モバイルアプリのカスタマイズ型パッケージ」として販売する。
 
201710121739_4.jpg
左から新製品のUI開発を主導したマジックソフトウェア・ジャパン首都圏営業部ビジネスディベロップメントの
工藤恵記・担当部長、同社の佐藤敏雄社長、応研の岸川剛・取締役営業部長

 応研が開発・提供する顧客管理システム「顧客大臣 NX ERP」には、飲食宅配業や家具販売業、不動産業などの業種別のテンプレートが30種類以上ある。今回の協業ではまず、「もっとも顧客層が広いメンテナンス業関連の業種に向けたアプリを開発した」と、岸川剛・取締役営業部長は、紙ドキュメントとパソコンで作業し、スマートフォンなどのデバイスをあまり使わない企業にターゲットを定め、両社で当初の販売先を決めたという。

 メンテナンス関連では、「電力系企業への導入が決定。現在、点検スケジュールやトラブル対応、コール履歴、部品交換履歴などの管理機能の追加とカスタマイズを行っており、近く運用を開始する」と、両社の連携アプリ開発を主導したマジックソフト首都圏営業部ビジネスディベロップメントの工藤恵記・担当部長は話す。

 応研と競合する販売・財務・給与系の業務ソフトベンダーには、販売管理システムがあっても、顧客管理システム自体がない。マジックソフトの佐藤社長は、「応研の既存の大臣のユーザーに新製品が浸透する」と、応研の既存顧客への広がりを期待する。

 まずは、メンテナンス業向けにユーザーインターフェース(UI)を吟味して開発された新製品は、企業やメンテナンス場所、導入機器、企業所在地の地図などの顧客情報に加え、メンテナンスした内容や次回予定日など、営業履歴・日報をスマートフォンやタブレット端末で確認したり、入力することが可能だ。

 新製品の価格と仕様は、パッケージ本体と実行ライセンス5ユーザーがついて、いずれも税別で閲覧機能だけのもので20万3000円と年間保守料2万円、スマートフォンから登録できる登録機能を備えたもので25万5000円と年間保守料2万円。登録機能の製品は、顧客大臣 NX ERPとマイクロソフトのデータベース「Microsoft SQL Server」が必要になる。

両社パートナーで販促

 両社は、応研の大臣パートナーとマジックソフトのMagicパートナーを通じ、新製品を拡販する。応研の大臣パートナーは、スタンドアローンで顧客大臣を導入している既存顧客に対し、「バージョンアップやピア・ツー・ピア、LANPACKへの移行を進めることができる」(応研の岸川取締役)。一方のMagicパートナーは、「応研の顧客大臣の既存顧客や新規導入を希望する顧客に対し、新製品と顧客大臣をバンドルして販売できる」(マジックソフトの佐藤社長)と両社のメリットを強調する。

 今後は、マジックソフトの地域営業所ごとに販売体制を取りまとめるほか、Magicパートナーで大臣パートナーに新製品販売で協力できる販売会社をウェブで公開する計画だ。「両社のパートナー同士のビジネスの相乗効果を生む商材として販売する」と、マジックソフトの佐藤社長は語る。

 両社では、メンテナンス業向けに浸透を目指す一方、応研の顧客大臣でテンプレートを提供する他の業種向けの開発も、同時並行で進める方針だ。応研の岸川取締役は「メンテナンス業以外では、建設業など、新製品に合致する業界が多くある」と、顧客大臣がテンプレートを提供している業種のUI開発を進め、多業種での展開を検討しているという。

 メンテナンス業向けのUIは、両社で改良を重ね、数か月で開発した。応研の岸川取締役は「当社の現場を良く知る営業担当者がプロトタイプをみるなどして、修正を重ねた」と、両社で新製品を磨き上げてきたと述懐する。

 マジックソフトの佐藤社長は、応研の幅広い顧客に向け、IoT(Internet of Things)関連での市場拡大もねらう。「応研の顧客には製造業も多く、工場の機械から稼働データを取り出し分析するための連携製品を開発することもできる」と、今回の協業をIoT分野に広げることをねらう。

 マジックソフトでは、新製品の機能や操作を体験できるデモサイトを用意している。手持ちのスマートフォンやタブレット端末に無料アプリをインストールして使用できる。

 最近、「働き方改革」が叫ばれている。だが、パソコンを現場に持ち込めない層の働き方を変えるツールは少ない。両社で開発した新製品は、こうした層への浸透が期待できるだけでなく、新製品を武器に両社パートナーのアップセルにつながる。(谷畑良胤)