電源タップとKVMにDC集約の追い風

 ラリタン・ジャパン(竹永光宏カントリーディレクター)はデータセンター(DC)関連製品のビジネスが活発化している。同社のDC向け主力製品は、サーバー操作用のKVMスイッチとサーバーラック向け電源管理タップのシリーズで、ここ数年は毎年2、3割増の勢いで売り上げが伸長。サーバー機器のDCへの集約や、ラックあたりの消費電力が増えていることが、DC向け商材の販売増につながっている。

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竹永光宏
カントリーディレクター

 DCでプライベートクラウドを構築するユーザーが増えている。DCに収まっているサーバーをユーザーのオフィスから遠隔で操作するには、「KVMスイッチは欠かせないツール」と竹永カントリーディレクターは話す。従来のKVMスイッチはラック据え付け型でDC内で操作する方式が多かったが、今では、インターネット越しにサーバーのキーボードやマウスを遠隔で操作する方式が売れ筋となっている。

 KVMスイッチを使わず、サーバーの画面イメージを転送して操作することも可能だが、この方式では、万が一、OSがフリーズしたときに操作できなくなってしまう。この点、KVMスイッチはBIOSレベルの操作が可能であることから、「ネット越しのサーバー管理に最適なツール」(同)だと評価されている。

 また、DCを巡っては、サーバーラックあたりの消費電力が増える傾向にあり、消費電力の管理がよりシビアになっている。そこで、同社では電源タップごとの消費電力を正確に測定できる電源管理型のタップ製品を拡充。ラックに取りつける縦長の電源タップで、ラックに収まっている機器が実際に消費している電源を測定し、記録できる。
 
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サーバーラック向け電源タップの電源管理ディスプレイの部分(上)とサーバー操作用のKVMスイッチ

 例えば、IT機器のカタログに記載されている定格の消費電力を足し合わせると8kVAだが、実際に運用してみると6kVAを超えないケースがある。あるいはその逆で想定よりも多くの電力を消費していることがある。そこで、電源管理タップがラックを運用していくなかで見えてくる実際の消費電力をリアルタイムに可視化。ユーザーはIT機器のスペックを見直して、ラックに供給される電力を余らせることなく使ったり、DC事業者と供給電力の契約を最適化するなどの行動を起こしやすくなる。DCにおけるサーバー電力のコスト削減につなげられるわけだ。

 ここ数年は、国内でのラック用の電源管理タップが好調に推移しており、KVMスイッチの売上高を超える可能性も出てきているほど。本国の米国では、電源タップとKVMスイッチの売上高構成比は約6対4で、電源タップのほうがすでに大きい。ラリタンは米国で1985年に創業したKVMスイッチやラック向け電源タップの専業メーカー。2015年にフランスの大手電機メーカーのルグラングループに入っている。(安藤章司)