インフラとしての付加価値を模索

 注目を集めるハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)市場。外資系ベンダーの取り組みがクローズアップされるなか、国産ベンダーであるNECがHCIの新製品を投入。HCI市場に本腰を入れて取り組む姿勢をみせた。

 NECの新モデルは、最新CPU「Xeon Scalable」を搭載するx86サーバー「Express5800」シリーズをベースに、VMware vSAN/Windows Server 2016のStorage Spaces Direct(S2D)を組み合わせる。柔軟な構成が可能で、システム要件に必要なパフォーマンス、容量を選択できる。

 HCIの導入を支援する構築サービスやハードウェア保守とソフトウェア保守をワンストップで対応するサポートサービス、サーバー環境情報にもとづいた仮想化基盤提案を無償で行うアセスメントサービス、業務無停止で仮想マシンを移行する「Zerto仮想サーバ移行サービス」を用意する。
 
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谷長 薫
パートナーズ
プラットフォーム事業部
IT・SLマーケティンググループ
マネージャー

 NECの谷長薫・パートナーズプラットフォーム事業部IT・SLマーケティンググループマネージャーは、HCI市場について「企業規模が大きくなるほどレスポンスタイム、スケールアウトの可用性が重要になる。そのため、個別構築のほうが優位性があるという評価をする企業が多い。関心が高いのは中堅・中小企業。しかし、様子見の企業も多い」と話す。その要因として、「インフラをHCIに置き換えることで、どのような優位性があるのか。例えば処理速度が速くなるなど、HCIだからこそのよさの見極めができていない。管理が楽という話は多いが、それは本質ではない。HCIのうえで業務アプリケーションを動かすことの価値を見出せていない」と谷長マネージャーは指摘する。

 今回、NECはHCIの新製品を出し、サポート面も強化した。今後はさらにHCI上で動かすことで価値を見出せるアプリケーションの模索、パッケージ化を進めていくという。「例えば、医療アプリと組み合わせ、垂直型統合パッケージとして提供する。患者数が増えた場合はワンクリックで拡張できるなどの価値をつくっていく」と谷長マネージャーは話す。

 以前、サーバー市場で、ブレードサーバーを使った仮想化統合という流れがあった。「大規模企業までは浸透せず、中堅企業まで普及し、結果としてIAサーバー全体で10%ほどのシェアを占めたと思う。今のHCIはこれと同じだ。だが、すべての業務をHCIに乗せたほうがメリットがあるならば、すべてのサーバーがHCIに置き換わる可能性もある」と話す。HCI市場で成功をつかむためには、製品ラインアップを用意するだけではなく、HCIと相性のいい業務をいくつつかめるかが重要になるようだ。(山下彰子)