台湾のNASベンダーSynology(シノロジー、群暉科技)は、日本での事業拡大に力を入れている。2017年に国内一次代理店としてディストリビュータの国際産業技術(KSG)が参画したのに続き、今年4月には日本法人のSynology Japan(シノロジージャパン)を設立。日本国内ではここ数年、年率およそ50%あまりの売上増を続けており、「日本法人で適切なサポートを行っていくことで、今の勢いを持続させる」(Synology Japanの蔡明宏代表取締役社長)と、国内の販売・サポート体制の強化を進めている。

 Synologyはネットワーク接続型ストレージ(NAS)を主力製品とし、個人向けから企業向けまで幅広い製品群をもっているのが強み。全体的に価格を抑えてあるにもかかわらず、バックアップや情報セキュリティ、オンラインストレージとの連携、誤ってファイルを上書きしたときの復旧といった、「NASを管理するソフトウェア群が充実している」(Synology Japanの田野久敏セールスマネージャー)ことも人気の理由だ。
 
画像上から時計回りでサーバーラック収納型の「FSシリーズ」、
中小企業や個人向けの「Plusシリーズ」、NASソフトウェア操作画面イメージ

 17年12月期の売上高は世界でおよそ100億台湾ドル(約370億円)、このうち欧州が約半分、北米が約3割、その他2割がアジア太平洋など。日本は「その他セグメント」に入っているが、「製品への引き合いは中国と並んで強いものがある」(台湾本社の宋宜倫マーケティングスペシャリスト)と、日本市場へのテコ入れの理由を話す。

 Synologyは、2000年に創業したNASメーカーとしては比較的新しい会社だが、当初はストレージ関連ソフト開発ベンダーだった。その後、NASのハードウェア開発に参入した経緯から、管理ソフトウェアとハードウェアの両方の開発力に長けている。
 
左から宋宜倫スペシャリスト、蔡明宏社長、田野久敏マネージャー

 直近の国内での売上構成比は個人や中小企業向け製品が約6割、企業向けのハイエンド製品が約4割で推移している。クラウド化が進むなかでも、とりわけ中小企業や大企業の部門単位では、「手軽で使い勝手のいいオンプレミス型のNAS需要は根強くある」(蔡社長)とみる。

 日本法人の開設によってディストリビュータやSIerに向けたサポート体制を一段と充実させていくことで、向こう数年は年率5割の成長を持続させていく方針だ。(安藤章司)