アシストホールディングスグループのアシストエンジニア(岐阜市、長谷部浩一代表取締役)は、CADやPDM(製品データ管理)市場の掘り起こしを狙う。成熟したCAD関連市場から距離を置く販売会社が目立っており、「製造業ユーザーがCAD関連で十分なサポートを受けられない状況が続いている」(宮川公延・東京支社支社長)と認識。こうした状況のなかでCAD製品の販売に力を入れれば、「製造業顧客を取り込むチャンスとなる」(宮川支社長)と“残存者利益”の獲得を目指していく。

“残存者利益”で売り上げ1.5倍に


宮川公延
支社長
 宮川支社長は、CAD/PLM(製品ライフサイクル管理)開発のPTCジャパンで、長年CAD販売を担ってきた。CAD販売に力を入れる販売会社が減っていき、「製造業ユーザーが置き去りになっている状況は、PTCジャパン時代から感じていた」と話す。こうしたことを受けて、今年4月、アシストエンジニアの協力を得るかたちで、宮川氏が中心となって東京支社を立ち上げた。東京支社ではPTCジャパンのCADやPDMを中心に、東日本地域のユーザーの掘り起こしを進める。西日本地域は岐阜市にある本社が担う。

 CAD/PDMは、製造業ユーザーが全社の製造データを一元的に管理する情報基盤を見直す際に買い替えるケースが多いという。逆に言えば、そうした大がかりな基盤整備を行うタイミングでないとCADは売りにくいジレンマを抱えているのが実情だ。「CADを専門に販売している営業マンが、3か月間、1度も受注がない――こともざらにある。販売会社の多くはCAD販売の専門組織を取りやめ、他の製品の販売担当者が兼任するケースが多くなっている」と、宮川支社長は指摘している。

 兼任者が増えると、CAD/PDMの専門的な知識を維持するのが難しくなる。外資系が多いCADベンダーの日本法人のサポート力にも限界がある。そこで、アシストエンジニアではCAD販社を支援するかたちで「販売会社との連携」にも力を入れていく。外資系CADベンダーと日本の製造業ユーザーの間に入って橋渡し役になるとともに、CADの専門的知識をCAD販社に提供することで、販社同士の“横の連携”にも取り組む。

 宮川支社長は、CAD/PDM市場の掘り起こしによって、「向こう3年間でアシストエンジニア全体の売り上げを1.5倍程度に伸ばせる」と手応えを感じている。(安藤章司)