プライム・ストラテジー(中村けん牛代表取締役)は、ウェブサイト高速化のビジネスが好調であることから、今年度(2018年11月期)の売上高が前年度比で7割余り伸びる見込みだ。主力のウェブサイト高速化ソフト「KUSANAGI」を、オープンソースソフトウェア(OSS)として公開したところ、採用件数が累計およそ2万サーバーを突破。うち約1.5%に相当する約300サーバー相当のユーザー企業が同社による公式サポートサービスを利用していることが売り上げを押し上げた。

中村けん牛
代表取締役
 公式サポートサービスは、「WordPress」やウェブサイトを稼働させるクラウド/レンタルサーバーのバージョンアップに迅速に対応するとともに、ウェブサイト運営に欠かせない情報セキュリティーの維持にも役立つものとなっている。基礎的な保守サポートから、ウェブサーバーの運用を全てプライム・ストラテジーにアウトソーシングするフルマネージドサービスまで段階ごとにメニュー化している。

 KUSANAGIは、主にウェブサイト構築ソフトでOSSのWordPressを対象とした高速化実行環境として使われている。WordPressが持つコンテンツ管理システム(CMS)は多くのウェブサイトで採用されており、「CMSのシェアでいえば6割ほどある」と、中村代表取締役はみている。KUSANAGIは、このWordPressユーザーを主なターゲットとして開発したもので、理論値ベースで15倍ほどウェブサイトの表示速度を高速化できる。

 ウェブサイトを高速化するに当たっては、ただやみくもにウェブサーバーの台数を増やしても効果は限定的。「ミドルウェアやアプリケーション、ブラウザーのレンダリングといった各階層、要素を最適化していく仕組みが欠かせない」(中村代表取締役)。また、ウェブサーバーを稼働させるクラウドやレンタルサーバーのサービスごとにも最適化。直近では、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure、IDCFクラウド、さくらのVPS、ConoHa(GMOインターネット)など国内外約26のクラウド/レンタルサーバーのプラットフォームに対応している。

 ウェブサイトの運営者からみれば、ウェブページの表示速度を落とすことなく、ウェブサーバーの稼働台数を抑制でき、コスト削減につながる。エンドユーザーにとってはストレスなくウェブページを閲覧できるメリットを享受できる。

 KUSANAGIのユーザー数が増え、プライム・ストラテジーによる有償の公式サポートサービスを利用する顧客企業が増えたことで、毎月安定した収益が見込めるストックビジネスの比率が増加。今年度は売り上げ全体の6割程度まで拡大する見込み。同社は、もともとWordPressを活用するなどしたウェブサイトの構築サービスの比率が高く、3年前まではストックビジネスの比率は1割程度だった。売り上げを伸ばすとともに、安定した収益構造も獲得している。(安藤章司)