ATENジャパン(鄧鴻群社長)は、IT製品と放送業界向け機器を組み合わせた見える化ソリューションを構築し、データセンター(DC)や工場などに展開をしていく。

 同社はKVMスイッチ、映像機器管理、サーバー管理ソリューションを提供する台湾ベンダーATENの日本法人。主力事業はKVMスイッチ事業だ。詹世惠・取締役企画本部長は「サーバー向け製品は堅調だが、中小企業向けやコンシューマー向け製品は需要が減少している。デスクトップPCからノートPC、タブレット端末にシフトしているのがその要因」と説明した。

 市場の変化を受け、5年ほど前に映像産業向け事業を成長分野と位置付けて本格化。これまでにビデオ分配器やビデオ延長器などを提供してきたが、KVMスイッチのノウハウを生かし、ビデオ映像をシームレスに切り替えることができるビデオエクステンダーを開発した。詹本部長は、「KVMのV(ビデオ)にフォーカスした。放送業界が求める高解像度に対応し、映像が遅延しない、途切れない高品質を実現するため取り組んできた」と話す。現在では全国ネットの放送局のほぼ全てに製品を提供しており、映像産業向け事業の売上構成比は1割ほどから4割まで成長したという。

 次の展開として着目したのが、IT製品と放送業界向けの機器を組み合わせた新たなソリューションだ。電源管理などのリモート制御システムと放送業界向けに開発したビデオエクステンダーを組み合わせることにより、マウスやキーボードの遅延が発生せず、リアルタイムな操作ができる。
 
KE9950

 4K対応のIP-KVMエクステンダーの新製品「KE9950」は、4K映像が途切れることなく、シームレスに切り替えができるほか、DisplayPortアウトにも対応する。詹本部長は「放送業界ではDisplayPortの対応が進んでいるが、IT業界ではこれから。差別化ポイントとしてアピールできる」と語る。

 今後、放送業界向けの機器を組み合わせた見える化ソリューションは展示会などに出品し、周知と提案を行っていく。直近では6月12日から14日まで幕張メッセで開催するインターネットテクノロジーの国内最大級の展示会「Interop Tokyo 2019」に出品。実機を使った見える化ソリューションのデモンストレーションを実施する。Video over IP製品「VE8950T/R」を使った生産ラインの稼働状況を表示するあんどんシステムの実機を展示するほか、PDU(電源ラック)、UPS(無停電電源装置)を組み合わせたサーバールームの監視ツールも展示。異常を検知したサーバーのオン・オフを遠隔で操作できる、サーバールームの無人化ソリューションとして提案する。(山下彰子)