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ソーラーウインズ ITシステム、ネットワークの管理・運用を一元化 価格体系の工夫が武器に

2020/02/28 09:00

週刊BCN 2020年02月24日vol.1814掲載

 ITシステム管理ツールを提供する米ソーラーウインズは、昨年5月に日本法人の新カントリーマネージャーに就任した河村浩明氏の下、日本市場での活動を強化している。同氏はシマンテックやドロップボックスの日本法人社長を歴任するなど、IT業界で豊富な経験を持つ。製品・ドキュメントの日本語化や顧客・パートナーへの支援体制を整え、ビジネスの拡大を目指す。

河村浩明 カントリーマネージャー

 ソーラーウインズは1999年に米国で創業。ネットワーク監視ソフトウェアの「Network Performance Monitor」とトラフィックを可視化する「NetFlow Traffic Analyzer」の二つを中核製品としている。現在これらを含む12製品が共通基盤の「Orion(オライオン)プラットフォーム」上で動き、各製品を一元的に可視化することができる。

 世界では32万4000社の企業が同社製品を導入している。河村氏はソーラーウインズの特徴として、「(利用者であるITプロフェッショナルを意識した)使い勝手の良さが第一の特徴。また、さまざまな機能をモジュール化して製品にしている。さらに、モジュールをティア化してきめ細かい価格設定にすることで、お買い求めやすくしている」と説明する。「最初の導入の平均価格は1万ドル以下」(河村氏)であるといい、開発拠点を東欧に置くことで、米国と比べてエンジニアの人件費を抑制。顧客の要望を重視して製品開発を行うなど、ユーザーにとって魅力のある製品づくりに注力しているという。

 日本法人は2015年に設立。国内ではこれまでに2000社の導入実績があるが、河村氏は「日本に向けて十分にフォーカスできていなかった」と話す。19年5月のカントリーマネージャー就任以来、製品やドキュメントの日本語化に本格的に取り組んだほか、顧客やパートナー支援に向けて、現場のエンジニアやトレーニングの人材を採用し、社内の技術力を強化。河村氏は「トレーニングは保守契約の中で提供しており、見かけ上は無償だ。さらにカスタマイズもできることが好評を得ている」と話す。また、顧客の製品への習熟度が上がることで、同社にとってもアップセルやクロスセルにつながっているという。

 河村氏は、「今、日本のIT業界が活気づいており、長年IT業界にいた中でも、ITへの投資意欲がやっと高まってきたと感じている」という。ユーザー企業の旺盛なIT需要の中で、ITシステムの監視・管理のニーズを獲得し、認知度を高めていく方針。(前田幸慧)
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