三井情報は12月2日、三井物産の基幹システムをSAPジャパンが提供するSAP ERPから、ERPスイート「SAP S/4HANA」へ移行する大規模プロジェクトを完了したと発表した。

システム概要図

 今回のプロジェクトでは、三井物産が国内で利用していた2つのインスタンスを統合し、動作環境をパブリッククラウドのMicrosoft Azureへ移行した。三井情報は、SAPが提供する最上位サポートサービスSAP MaxAttentionとともに同プロジェクトに着手し、新しい基幹システムは今年9月から本番稼働を開始している。

 三井物産では、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するなかで、27年のSAP ERP製品保守期限の到来に備えて、いち早くSAP ERPからSAP S/4HANAへの移行に取り組んできた。今回のプロジェクトでは、SAP S/4HANAへのコンバージョンに加え、攻めのDXに向けて基幹システムの運用にかかるコストとリソースを削減するために、国内拠点と国内グループ会社で分けて運用していたインスタンスを1つに統合した。また、将来を見据え、動作環境もプライベートクラウドからSAPの機能拡充が進むパブリッククラウドのMicrosoft Azureへ移行した。

 同プロジェクトでは、既存の基幹システムで利用しているアドオンが流用可能であり、業務への影響が少ないシステムコンバージョン方式で移行を行った。それにより基幹システムを再構築するリビルド方式と比較して、移行にかかるコストを約6分の1まで削減し、期間も約半分に短縮した。さらに、インスタンスの統合により運用にかかるリソースが減ったことで、ランニングコストの削減につなげた。また、ペーパーレス化のさらなる推進のため、基幹システムのワークフロー機能を拡充し、SAP S/4HANA内で承認が完結するプロセスを増やしたため、リモートワークでも、滞ることなく承認作業が可能となった。

 三井情報は、今回の大規模移行プロジェクトで得られた知見を生かし、SAP ERP製品保守期限に向けてSAP S/4HANAへの移行を検討する企業を支援するとともに、最新のテクノロジーを使用した業務改革もあわせて提案していく。