F5ネットワークスジャパンは4月13日、BCN主催の「地方自治体のIT投資は大きな転換点に 行政のDXにつながるITインフラの提案とは」と題したオンラインセミナーで、自治体の情報セキュリティ対策をテーマに講演した。「三層の対策」の見直しなど自治体のセキュリティ環境整備に向けた動向を解説するとともに、総務省が発表した最新のガイドラインに基づく自治体のセキュリティ対策の実現方法について、F5ネットワークスの提案を紹介した。

飯島 晋 SE本部 SEマネージャー

 「自治体情報システム強靱性向上βモデル ~その具体的な実現にむけて~」と題して登壇した飯島晋・SE本部SEマネージャーはまず、昨年5月に総務省が公表した自治体情報セキュリティ対策の見直しのポイントについて解説した。

 今回の見直しでは、自治体のシステムをマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系の三つに分離する、従来の「三層の対策」をアップデートした新たなモデル「βモデル」が示された。マイナンバー利用事務系システムの分離は維持しつつも、十分にセキュリティが担保されていると国が認めた通信のみインターネット経由でのデータ転送が可能になる、LGWAN接続系の業務端末と業務システムの一部をインターネット接続系へ移行できるようになるなどの見直しが行われている。

 このβモデルの実現に、F5ネットワークスのADC(Application Delivery Controller)製品「BIG-IP」が活用できるという。飯島SEマネージャーは、BIG-IPについて「モジュール形式で機能を提供しているため、複数のモジュールを相乗りさせることでさまざまな機能を1台のハードウェア/VMインスタンスに集約することが可能」だと説明。LGWAN接続系とインターネット接続系をそれぞれ異なるテナントとして分離環境ごとにサービスを提供する「LTM」、統合認証ゲートウェイとして「APM」、暗号化通信の監視機能を提供する「SSLO」という三つのモジュールを活用できるとし、「それぞれの機能を活用することによってBIG-IP1台でこのβモデルにおける要件を満たすことができる」とアピールした。

 続いて登壇した伊藤悠紀夫・SE本部ソリューションアーキテクトは、諸外国と比べて日本の生産性には課題があると指摘。「デジタルの競争力を高めることで生産性も向上することができる」とした上で、マッキンゼー・アンド・カンパニーの提言を引き合いに、「まず日本政府・デジタル政府としては、新しいアプリケーションの開発を支援する。そして公共機関のさまざまな手続きに関しては、従来の紙やFAXといったアナログの申請から、アプリケーションを使ったデジタルの申請に変えていくことが重要だ」と述べた。
 
伊藤悠紀夫 SE本部 ソリューション アーキテクト

 また、これからの自治体の情報システムのコンセプトとして、「モダンアプリケーション」「マルチクラウド」「働き方改革」の3点が重要だと指摘。それぞれに対して、アプリケーションプラットフォームの「NGINX(エンジンエックス)」、マルチクラウドとエッジ環境をまたぐアプリケーションの配信やネットワーク接続が可能な分散型クラウドプラットフォームの「Volterra」、BIG-IPのコンポーネントの一つで継続的なユーザー認証が可能な「Identity Aware Proxy」が活用できると語った。

 最後に登壇した小泉周平・パートナー営業本部執行役員本部長は、F5ネットワークスのパートナープログラムについて紹介した。

 同社のパートナープログラム「Unity+」は、「Platinum」「Gold」「Silver」「Authorized」の四つの階層(ティア)に分かれる。ティア資格取得のためには「売り上げ」「コンピテンシー」「デマンドジェネレーション」の三つの要件について、求められる基準をクリアする必要がある。
 
小泉周平 パートナー営業本部 執行役員本部長

 同社が注力する製品・サービスの販売に貢献すると受け取れるリベートの仕組みも用意している。今後はエンドユーザー向けのプログラムも導入する予定。「お客様のもとにある旧製品の下取りプログラムを想定している」と言い、ユーザーの買い替えを促す。 また、自治体セキュリティに関して、パートナー向けのキャンペーンも実施する。「間違いなく競争力のあるキャンペーンになっている。ぜひ参加のお声がけをいただきたい」と、小泉執行役員は呼びかけた。