エイトレッドは7月27日、調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)がまとめた「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2021」の結果から、2020年度のワークフロー市場全体で売上シェア(パッケージとSaaSの売上金額を合計した20年度の実績)1位を獲得したと発表した。
発表によると、市場の活性化で競争性が高まる中、競合他社がパッケージ製品の大型案件の減少や案件ペンディングなどで苦戦する一方、中小企業向けワークフロークラウドサービス「X-point Cloud」の売上実績が前年度比30.9%増となり、SaaS型ワークフロー市場で、16年度から21年度(予測)の6年連続でシェア1位になった。中堅・大手企業向けワークフローパッケージ「AgileWorks」の売上実績も同比24.1%増と伸び、ワークフロー市場全体でシェア1位となった。
売上規模別市場シェア(パッケージとSaaSの売上金額合計)では、年商10億円~100億円未満と年商100億円~500億円未満の両方で、18年度~21年度(予測)の4年連続で1位となり、中堅中小企業向けSMB市場でもトップシェアになった。
同社は、パートナー経由で各製品の販売を進めており、共同セミナーの開催や受注率向上に向けた営業・SE支援などを通じてパートナーとの連携を強化している。同社の岡本康広社長は、AgileWorksとX-point Cloudの両製品の売上実績が拡大した要因について「販売パートナーの提案・販売活動が好調だったことも影響している」と分析している。
一方、同社は7月26日、優れた販売パートナーを表彰する「ATLED Award2020」を発表した。20年度の新規販売を対象に売上金額トップのパートナーが対象となる「Partner of the year」は、表彰制度設立から4年連続でディーアイエスサービス&ソリューションが受賞した。
(左から)ディーアイエスサービス&ソリューションの帯包勇治・テクニカル本部サービス運用部長、荒木邦洋・同部クラウドサービスグループエキスパート、菅頭英樹・同本部テクニカル部アプリケーショングループ係長
前年度と比較して最も取り扱いが増えたパートナーが対象の「Growth of the year」は、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが受賞。追加したライセンスが最も多かったパートナーが対象の「Expansion of the year」は、SCSKが獲得した。
表彰は、AgileWorksとX-pointシリーズの売上金額と売上本数の各部門もあり、ディーアイエスサービス&ソリューションは「X-point Sales of the year 金額部門」、SCSKは「AgileWorks Sales of the year 本数部門」の各賞も受賞した。
このほか、日立システムズが「AgileWorks Sales of the year 金額部門」を3年連続、リコージャパンが「X-point Sales of the year 本数部門」を4年連続でそれぞれ受賞した。
ITRによると、コロナ禍による在宅勤務ニーズ増加や企業のDX推進などに伴い、ワークフローシステムの新規導入やシステム拡張が進んだことから、ワークフロー市場は活性化が続いている。同社は、この勢いは今後も増し、21年度の市場規模は前年度比14.5%増になると予測している。(齋藤秀平)