米Oracle（オラクル）と米Microsoft（マイクロソフト）は7月20日、「Microsoft Azure（Azure）」から「Oracle Cloud Infrastructure（OCI）」の「Oracle Database」サービスを容易に運用できる「Oracle Database Service for Microsoft Azure」の一般提供を開始した。OCIとAzureの相互接続を利用するユーザーは、Azureに近似したUIなどで統一されたコンソールからプロビジョニングやアクセス、監視などを一元的に実行できる。


　2019年に開始したOCIとAzureの相互接続は現在、東京など11のリージョンで利用でき、ユーザーは二つのクラウドにまたがったアプリケーションの構築が可能となっている。一方で、相互接続するにはそれぞれのクラウドにログインし、プロビジョニングやアプリを繋ぐ作業が求められていた。

　新サービスは「Azure Active Directory」との認証連携によってシングルサインオンを実現。Oracle DB側からテレメトリー情報がAzureに送られ、コンソールからログ解析やイベントモニタリングが行えるほか、データ分析や開発機能の利用も簡易化される。Oracle DBのオートスケーリングにも対応する。ただし、コンソール自体はAzure内の機能ではなく、別個に用意される。

　発表に先立ち、オラクルのデータベース・サーバー・テクノロジー担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるアンドリュー・メンデルソン氏が、日本の報道関係者向けにサービスの概要などを説明した。メンデルソン氏は「マルチクラウドは私たちにとって非常に重要な施策であり、お客様からの要望は大きい」と述べ、今後も「PowerBI」との接続の簡素化など、機能改善を図る方針を示した。

　マルチクラウドに関しては、AWSとの連携を求めるユーザーニーズも強いとし「同様なプロジェクトを実現できればと考えている」と話した。（藤岡 堯）