米国発のSaaS型プランニングプラットフォーム「Anaplan」を提供するAnaplan Japanは7月22日、インフレーション環境下における計画業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)をテーマにした報道向け説明会をオンライン開催した。中田淳社長は、材料費高騰や円安などで混乱する市場環境に適応するには、「スピード」「分析」「コラボレーション」の三つの視点で計画業務を改善することが重要とし、Anaplanによって、変動要因を即座に経営計画に反映させ、適切な手を打つことができるとアピールした。
中田 淳 社長
計画業務は売り上げや経費の見込み、在庫見通し、採用予定数など、社内の各部署が持つ「将来的なデータ」をまとめて会社全体の見通しを立てることだ。ただ、データそのものは担当者が「Excel」などで個別に管理することが多く、取りまとめに時間がかかり、状況に応じて変更を加えたり、実績との差異をリアルタイムに検証して原因を分析したりするのは難しいという。各部門がそれぞれに作成するため、部門間の意思疎通が困難との課題もある。
Anaplanはデータを自動集計し、市場環境の変化に応じた多様なシナリオに沿って分析できる。同社は計画業務に関係する財務経理、人事、営業・マーケティング、サプライチェーンの各部門を連携する「コネクテッドプランニング」を提唱しており、Anaplanは部門を横断するワン・プラットフォームとしても機能する。これらの特徴から、Anaplanが「スピード」「分析」「コラボレーション」のいずれの観点からも計画業務のDXを実現できるツールであるとした。
ビジネスは好調で、導入プロジェクト全体を管理する人材である「ソリューションアーキテクト」の不足が課題になっている。人材確保に向けて積極的にパートナーを支援する方針で、すでに支援専門の人員を配置している。日本市場におけるターゲットは大企業が中心だが、グローバルでは中小企業に訴求する地域もある。中田社長は「今後2、3年というスパンでは(中小市場を)どう開拓していくかは、考えなければならない経営課題だ」と強調した。
(藤岡 堯)