NECとカゴメは8月2日、子どもの野菜嫌いの克服を目的に「AI(愛)のプリン」を開発したと発表した。カゴメが実施した調査結果とNECのAIを活用し、子どもの嫌いな野菜と相性のいい食材を導き出した。
(左から)カゴメの宮地雅典執行役員とプルシックの所浩史オーナーシェフ、
NECデジタルテクノロジー開発研究所の池谷彰彦所長
NECは、同社のAI技術群「NEC the WISE」のリンク予測AI機能を開発に活用した。カゴメが2019年に実施した「子どもの野菜に対する意識調査」などを踏まえて21種類の野菜を選び、NECが収集した50万以上のレシピ情報からリンク予測AIで100通りの食材の組み合わせを抽出した。
その上で、特設サイトでの一般投票で上位25種類の組み合わせを選出。「パステルなめらかプリン」で知られる洋菓子店「プルシック」(岐阜市)の所浩史オーナーシェフが、結果を参考に6種類のレシピを考案した。
同日の記者発表会で、NECデジタルテクノロジー開発研究所の池谷彰彦所長は「野菜嫌いの改善だけではなく、偏食によるフードロスなどの社会問題の解決にもつながる」と述べた。
開発したプリンは「とうもろこしとヨーグルト」などで、今冬までに順次販売する。レシピは専用ホームページで公開しており、親子がプリンを一緒に作って食べることで、ふれあいの機会創出も目指す。
開発は、カゴメの野菜摂取推進活動「野菜をとろうキャンペーン」の一環で、NECからの求めがきっかけで始まった。発表会には、カゴメの宮地雅典・執行役員同キャンペーン推進室室長も駆けつけた。(大向琴音)