SAPジャパンは9月5日、東京・大手町に移転した新オフィスでの業務を開始した。新オフィスは「フレキシブルな働き方」「コラボレーション」「新しいエコシステム」の3点を重視。独創的なレイアウトやコミュニケーションの活性化につながる新たな職種、独自アプリケーションなどを取り入れたほか、大手町に置く他拠点と合わせた運用にも取り組む。同日には報道関係者向けの説明会が開かれ、鈴木洋史社長は「デザインはSAPジャパンが主導した。ここをグローバルのロールモデルにしたい」と話した。
鈴木洋史社長
SAPはグローバル全体で、ニューノーマル時代の柔軟な働き方を可能とする取り組みの「Pledge to Flex」を掲げている。新オフィスはPledge to Flexを構成する要素の一つである「Flex Workspace」(働く場所の柔軟性)の実現に向けて整備された。
新オフィスのレイアウト概要
(SAPジャパンの資料から引用)
移転前のオフィス(東京・麹町)から総床面積をおよそ半分に圧縮した。完全フリーアドレスとした上で、小さな島を斜めに配置するレイアウトを採用し、従業員間の偶発的なコミュニケーションを促すつくりとした。役員の個室も置かず、組織や階層を超えたやりとりの活発化を図った。
オフィス内のコミュニケーションを促進させるために「ワークプレースアンバサダー」と呼ぶ新たな担当者を設置し、従業員同士を結ぶ「触媒」としての役割を持たせた。加えて、SAP独自のアプリケーションである「SAP FlexConnect」も導入。出社した人の居場所が検索できるほか、会議スペースの予約などにも対応する。
リラックス・集中できる音を流したり、運動器具を設置したりなど、従業員のウェルビーイング(心身の健康)にも配慮している。
大手町にはSAPジャパンの拠点として「SAP Experience Center」と「Inspired.Lab」がすでに存在している。新オフィスを含め3拠点を「大手町キャンパス」と呼称し、顧客やパートナーとのイノベーションの加速を図るとした。
新オフィスにはSAP傘下のコンカーも転入し、同日に業務を開始している。(藤岡 堯)