弥生は、2023年10月開始のインボイス制度と、24年1月に猶予期間が終わる改正電子帳簿保存法に向けて準備を進めている。年内提供予定の「スマート証憑管理」で両法令改正への対応を実現させ、デジタルインボイスの国際規格「Peppol」をベースとした標準仕様への対応は来春を見込む。デジタルインボイスのデータを活用した金融サービスの支援も視野に入れており、デジタルを前提とした社会の後押しに力を入れる考えだ。
スマート証憑管理は、ベータ版として提供している「証憑管理サービス」の進化版。仕入先から受け取った紙やPDF、デジタルインボイスの証憑を一元管理できるほか、AI-OCRによって記載内容をデータ化し、会計システムとの連携が可能になるという。得意先が求める形式での証憑の発行にも対応させるとしている。
岡本浩一郎 社長
11月1日の説明会で岡本浩一郎社長は、スマート証憑管理について「紙とデジタルの両方を管理できる。結果的に法令改正への対応に加え、業務の効率化も実現できる。すごく欲張りな仕組みだ」とアピールした。
国内では、Peppolをベースとしたデジタルインボイスの標準仕様をデジタル庁が策定しており、多くのITベンダーが対応を表明している。弥生も同様の立場で、対応時期について岡本社長は「できるだけ早くしたいが、現時点では来春を予定している」と話した。
Peppolネットワークでデジタルインボイスをやりとりする際、データは中継点となるアクセスポイントを経由する。アクセスポイントのサービスを提供するためにはデジタル庁から認定を受ける必要があり、弥生としての方針については「アクセスポイントプロバイダーになる準備はしているが、経済合理性も含めて最終的に判断する」と説明した。
デジタルインボイスの普及を見据え、新しい金融サービスの提供を目指す動きが出ている。これについては「金融機関がサービスを提供するお手伝いをしたい」とし、具体的には、子会社のアルトアと「金融機関がリアルタイムで与信できるような仕組みを考えていく」と語った。
(齋藤秀平)