インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月21日、ネットワークとソフトウェア開発の技術に精通したエンジニアの育成を目的とする「IIJアカデミー」の開設を発表した。2023年春の開始を予定し、IIJが培ってきたインターネットサービス開発・運用の知見をベースに、実践的な知識・スキルを習得できる教育プログラムを提供する。
IIJアカデミーは、リスキリングを望む社会人やネットワークスペシャリストを目指す学生らを対象とする。同社の現役社員が講師を担当し、現場で蓄積された知見を基に、ITエンジニアの業務で有用となる技術を指導する。
鈴木幸一 会長
具体的には、受講生の技術力や学習したい分野を考慮して個別の教育プログラムを作成し、実習期間の12週間で三つの課題を実施する。一部課題項目の説明と関連技術の講義以外は、受講生の自習ベースで取り組むようになっており、講師がマンツーマンで課題のフォローや進捗の確認、成果物を講評する形式となっている。基本的にはオンラインで実施する。
同社は、デジタル化が進むにつれて、ネットワークを基盤にあらゆる技術が発展する中、今後もさらに信頼性の高いネットワークインフラを構築していく必要があると訴える。しかし一方で、クラウド化やアプライアンス製品の普及によって機能がブラックボックス化し、ネットワークとソフトウェアの仕組みや実装の仕方、実際の振る舞い方について深く理解している人材が不足している現状があるという。
同日の会見で鈴木幸一会長Co-CEOは「同業他社へも門戸を広げていきたいと考えている。将来的にはできるだけたくさんの人が、ある程度の技術を持ったエンジニアになってほしい」と語った。開始時点の募集人数は20~30人程度とするが、段階的な拡張を検討している。
(大向琴音)