インターネットイニシアティブ(IIJ)は12月21日、オンプレミスとマルチクラウドのデータを連携させる「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」の提供を開始した。各種クラウドやリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)などへの連携アダプタが豊富に用意されている点や連携フローをノーコードで開発できる点を特徴とし、インターフェースの開発にかかる負担が低減できる。コストも抑えており、同社は中小企業を中心として拡販に注力する考えだ。
連携アダプタについては「Salesforce」「Amazon Web Serveices」などのクラウドサービスや「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」をはじめとするRDBMSなど、90種類以上が準備されており、連携のためのインターフェースを個別に開発する必要がない。
染谷 直 執行役員
連携フローの開発ツールは、アステリアの「ASTERIAWarp」をコアエンジンに採用。ノーコードによって簡単かつ迅速に内製化できるとした。データのマスキング(秘匿)機能もノーコードで使用でき、クラウド上でも機密性の高いデータを安全に扱えるように加工できる。
12日の会見では、主な販売ターゲットとして、中小企業が挙げられた。同社の染谷直・執行役員クラウド本部長は「データ連携ツールは高価なため、大企業では使われているが、中小企業では導入が進んでいない」とした上で「サービスとして提供することで、データ連携を活用できる企業の裾野を広げていきたい」とした。今後の目標としては「3年で100社の導入を目指す」と語った。
「エントリー」「スタンダード」「エンタープライズ」の三つのエディションがあり、提供価格はそれぞれ月額12万円、29万円、35万円から。初期費用は無料で、最低利用期間はない。規模や要件に合わせてエディションとコンピューティングリソースを柔軟に変更できるとし、スモールスタートが可能なメニュー設定を採用した。
(大畑直悠)