PFUは国内や欧米、アジア太平洋の主要市場でリコーとのクロスセルを本格化させる。2025年度までに80億円の相乗効果を生み出す目標を掲げる。PFUが強みとするドキュメントスキャナなどの新しい販路としてリコーグループの販売チャネルを加えるとともに、富士通ブランドで販売していた主力のドキュメントスキャナを今年4月からリコーブランドに順次切り替え、8月頃までに完了させる予定だ。
国内においては、PFUのドキュメントスキャナをリコーグループのソフト・サービス体系と連動して動くデバイスの一つとして位置付け、クロスセルを推し進める。リコーグループは中小企業向けの業種アプリを体系化したスクラムパッケージや、カスタマイズ可能なスクラムアセットといったソフト・サービス商材を提供し、堅調に推移。昨年10月からはサイボウズと協業して開発したリコー版kintone「RICOH kintone plus」の販売を始めるなどソフト・サービス商材に重点を置いている。
村上清治 社長
電子帳簿保存法対応でスキャナがデジタル化の入り口に位置するといった追い風もあり、リコーグループのソフト開発力とPFUのドキュメントスキャナを組み合わせることで「大企業から中小企業まで幅広く対応できるようにする」と、PFUの村上清治社長は話す。海外では、北米でのリコーブランドの認知度が高いことからクロスセルを積極的に推し進めるとともに、欧州でもリコーとPFUの双方の販売チャネルの活用に取り組む。
富士通の子会社だったPFUは昨年9月1日付でリコーが80%の株式を取得し、リコーグループの傘下に入った。リコーとの相乗効果を踏まえて主力のドキュメント・イメージビジネスの売り上げを直近の約590億円から25年度には約720億円に拡大させるとともに、PFU全体の売上高を直近の約1300億円から1500億円規模に伸ばす。
(安藤章司)