IT企業などでつくる実行委員会が開催している「NIPPON ITチャリティ駅伝」が2022年に3年ぶりに復活した。寄付金を活用して未就労者の社会復帰を後押ししているほか、災害で被害を受けた地域の復興支援にもつなげている。次回は23年11月19日に東京で開催する予定だ。
実行委員会は、IT企業から集まった20~30人ほどで構成される任意団体で、いずれもボランティアとして活動している。うつ病やひきこもりの悩みを抱える未就労者を支援するため、10年に第1回大会を開催した。種目を駅伝にしたのは「同じ目的に向かって参加者同士が助け合い、励まし合い、そして、未来を担う若者たちを支え合い、つながり合い、今を乗り越えようとする若者を支援したい」との思いを込めたからだ。
第1回大会は108チームの540人が参加。協力企業団体は39社だった。その後、大会の規模は拡大し、19年の第10回大会では684チームの約3200人が走り、協力企業団体は100社になった。しかし、新型コロナウイルスの感染が広がり、20年と21年は開催見送りとなっていた。
第11回大会当日の様子
第11回大会は22年11月20日、お台場シンボルプロムナード公園セントラル広場(東京)を会場に、参加人数に上限を設けて開催した。当日は、参加者1875人が5人一組の計357チームに分かれ、同広場を発着点とする1周3キロメートルのコースでたすきをつないだ。大会はボランティアスタッフ約300人が支えた。協力企業団体は約100社だった。
第11回大会の寄付金は200万円で、全額を支援団体に寄付する予定。近年、こころの病気を抱える人の数は増加傾向となっている。IT業界でも、うつ病を発症する人は少なくないといい、支援団体への寄付を通して未就労者の社会復帰を目指す。また、11年の東日本大震災や16年の熊本地震、22年の福島県沖地震、石川、静岡両県の大雨被害の復興支援にも役立ててもらう。
第12回大会は、第11回大会と同じ会場での開催を予定している。実行委員会の事務局は「今後も継続して開催していく。新型コロナウイルスなどの感染状況にもよるが、参加人数に制限なく開催できること願っている」と話している。(大向琴音)