キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は、中堅・中小企業向けに“攻めのIT”サービスをメニュー化した「まかせてIT DXシリーズ」の販売を4月上旬から始めた。企業経営とITをつなぐITコーディネートや営業支援、ITスキル向上支援など、ユーザー企業の売り上げや利益に直結する領域でのサービス体系を明確化。料金も明示することで「中堅・中小企業ユーザーに利用しやすいよう整備した」と川端一也・営業統括部門営業統括推進部部長は話す。
左から川端一也部長、
村田由紀子部長、篠田貴普部長
前身となる旧まかせてITシリーズは、情報セキュリティや保守運用を体系化したサービスとして累計1000社余りの受注を獲得。キヤノンS&Sの全国約160拠点の複合機販売・保守網を生かし、ITソリューションによる付加価値を高めてきた。ただ、従来は「守りのIT」の領域がメインだったことから、今回新しく「ユーザー企業のビジネス伸長に直結する攻めのIT領域を拡充」(村田由紀子・ITソリューション推進本部ビジネスアプリケーション推進部部長)し、併せてシリーズ名も「まかせてIT DXシリーズ」に改名した。
攻めのITの軸となるのが営業戦略の策定で、現状分析から具体的な業務フローまで踏み込んで立案を支援し、ユーザー企業のビジネス的な成果につなげる。ユーザー企業の規模が小さければオフィスソフト「Microsoft 365」の表計算や情報共有の仕組みをそのまま使い、規模が大きくなるにつれてNIコンサルティングの「Sales Force Assistant」や、セールスフォース・ジャパンの「Salesforce」といった営業支援ツールを活用する。
経営者向けのITコーディネートから業務分析やシステムへの落とし込み、その後の従業員向けの教育サービスまでメニュー化するとともに、既存シリーズとの組み合わせで「攻めのITから守りのITまでワンストップで提供する」(篠田貴普・営業統括部門SS推進本部SS統括部部長)ことで中堅・中小企業向けITソリューションビジネスを伸ばす。
(安藤章司)